病害虫ナビセンチュウ
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被害を受けている土中の根を直接見ることはできませんが、結果として茎葉に被害症状があらわれてきます。栽培管理に問題がないのに生育が悪いと感じた時はセンチュウの被害かと疑ってみることです。根に小さいコブが無数についている時はネコブセンチュウ、細根が無くなっている時はネグサレセンチュウの被害が考えられます。
非常に小さい虫で成幼虫ともウナギのような形をしており、体長は1mm弱で体色も透明に近いため肉眼での観察は不可能です。例えば親指の爪の上に7000~8000匹程度は並べられる程の大きさです。いずれも温度があれば繁殖し、ネコブセンチュウは分泌物で寄生部分の細胞をコブのように肥大させて、養分を吸収しながら繁殖します。ネグサレセンチュウは寄生部分の細胞を変色腐敗させます。
土壌中に生息するセンチュウの退治は土壌消毒で行うのが一般的ですが、生育中の植物にも影響を与えるので家庭の庭では難しいです。昔から言われているようにマリーゴールド(特にフレンチマリーゴールド)を植える方法も有効です。また、同じ種の植物を連作すると、特定のセンチュウが繁殖して被害を受けやすくなるので注意します。
その1:【根こぶ病】:【根りゅう菌】:根にコブがついていれば必ずネコブセンチュウが寄生したとは限りません。似たような症状に「根こぶ病」や「根りゅう菌」があります。これらはネコブセンチュウと同じように根にコブを作ります。「根こぶ病」は主にアブラナ科植物(ダイコンやハクサイ)を連作すると発生しやすくなります。一方、「根りゅう菌」はマメ科植物に寄生し、空気中のチッ素を固定して植物に供給する有益な菌です。
その2:センチュウの種類は非常に多く、推定で50万種以上おり、半分は海洋に生息し、半分は土壌中や淡水、一部が動物や植物に寄生すると言われています。人間に寄生する回虫や蟯虫(ぎょうちゅう)もセンチュウの仲間です。
その3:センチュウは根だけでなく葉や新芽にも寄生します。葉にはハガレセンチュウが寄生しキクの仲間、ベゴニア、ペチュニア、ユリ、ボタンなどがよく被害を受けます。被害は下葉から発生し、除々に上葉に広がっていきます。葉脈に仕切られた部分が変色してくるため、一見病気のようにも見えます。芽にはメセンチュウが寄生しますが、イチゴなどによくつきます。被害は葉柄が曲がったり、新葉がわん曲し、激しくなると株全体が萎縮し、新芽などが赤くなったりします。寄生した株から挿し穂を取ったり、子苗を取らないことです。
その4:【マツノザイセンチュウ】:マツが枯れるということで一躍有名になったのがマツノザイセンチュウです。マツノマダラカミキリに付着して、松の新芽を食害した傷口から侵入して被害を及ぼします。夏から秋にかけて樹全体が生気を失い、急激に葉が変色して枯れます。防除するにはマツノマダラカミキリを退治することです。6~8月頃に成虫があらわれるため、60倍に薄めたベニカマツケアを散布して退治します。被害を受けて枯れた松は発生源になるので、早めに切り倒して処分します。
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