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7月-3.雨が好き、雨が嫌い

雨に唄う植物は

 雨の日のみちくさで、もっとも眼福を得られるのは、やはりみずみずしく生き生きとした植物たちの姿ではないでしょうか。開花中のものは、雨に打ちひしがれていたり、花弁の間に水を貯めて傷んだりして、少し気の毒な様子ですが、その葉はどうでしょう。雨を受けて喜んでいるように見えます。
 たとえば、アジサイ。葉が大きく蒸散量が多いことは、つまり水分要求量も多い植物だということ。日本ではちょうど梅雨の時期に咲くので、水切れを防ぎやすく、その結果美しく咲きほこり、季節の風物詩となり得たのでしょう。

 それから樹木。都会の街路樹から、里山の雑木林、そして山地の深い森に至るまで、静かに雨を楽しんでいるよう。こうした景色を見るたびに、この時期の雨の豊かさを実感せずにはいられません。

 そして、何といっても、梅雨の間の眼福といえばシダやコケ類。晴天が続くときとは全く違う表情を見せてくれます。まさに、雨の日こそが、彼らの晴れ舞台。拙宅のトキワシノブやヒトツバなども元気いっぱい。ふだんは室内で観賞しているビカクシダやリュウビンタイも、雨の季節は戸外に出し、十分に湿度と雨の恵みを堪能してもらっています。

戸外だけど軒下好きの植物は

 植物の育てかたを本やウェブサイトで調べると、ときおり「置き場所は軒下など」と書いてあることがあります。それに対し、「現代の家屋には軒下がない」という意見を聞いたことがありました。
 みなさんのお宅に、軒下はありますか?

 古きよき時代の農家などには、奥行き2メートル近い軒下がある建物もありました。現在でも軒下の有効性を意図した建物なら、奥行きのある軒下がみられるでしょう。
 また、集合住宅ではバルコニーやテラスの屋根が軒下になります。贅沢に奥行きを深くとったケースなら、軒下を植物の置き場として有効活用できます。

 日本は世界のなかでは雨量が多い環境ですから、こうした環境下で栽培するには、積極的に雨を避けたい種類の植物があります。戸外で一年じゅう雨ざらしでは、うまく育つことができない、もしくは上級テクニックが必要となる植物の代表が、人気の多肉植物、オーストラリアなど、オセアニア原産の植物に多くみられます。
 これらは極力、軒下や雨のかからない場所で栽培し、水やりは完全に人為的コントロールの下で行うほうがよいでしょう。
 ただし、かなり奥行きが深い軒下の建物の際(きわ)は、太陽の位置が高いこの季節、日ざしが届きません。好む日照量に応じて日よけもしつらえ、植物はできるだけ外側に置きます。雨が吹き込むときに限って、奥へ移動させるとよいでしょう。

 また、みなさんの家庭菜園では、そろそろトマトが赤く色づいてくる時期だと思います。このトマトも原産地は、アンデス地方の高地で、非常に乾燥した気候です。太ってきたトマトの果実が雨に当たると傷んだり、急激に水分を吸収して裂果してしまうことがあります。トマトの栽培には雨避けをしつらえるとよく、もしくはコンテナ栽培で、軒下に置いて管理するのがよいとされるのはこのためです。
 バルコニーの奥行きが浅く、雨が吹き込んでしまう場所では、外に向けて寒冷紗を張って簡易的な雨避けにしたり、洗濯物用の雨避けカーテンを設置するのがおすすめです。

 いずれにしても雨や雨による泥跳ねは、病原菌を蔓延させる原因にもなります。雨後は風通しがよいよう、コンテナを配置替えしたり、殺菌剤を散布したりして、植物の傷みを防ぐことが大切です。

 さて、夏が楽しみな今日このごろ。梅雨が終わっても、夕立やゲリラ豪雨など、植物にとって恵みの雨とはいい切れない降雨もあるでしょう。植物の雨好き、雨嫌いを考慮し、すてきな夏のガーデニングをお楽しみください。

戸外だけど軒下好きの植物は
コラム|ウチダ トモコ
園芸ライター、グリーンアドバイザー、江戸東京野菜コンシェルジュ。
園芸雑誌、ライフスタイル誌などの編集、ライターを経て、現在は主にウェブで提案および取材執筆活動中。

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