5.毎日の手入れと管理
5-10.摘心(芯摘み)して枝数をふやす
茎や枝の最先端の芽を摘む作業を「摘心(ピンチ)」といいます。植物の生長を抑えたり、わき芽を発生させるために行う作業で、たくさん花を咲かせて長く楽しむためには、切り戻しとともに必要な手入れです。
頂芽優勢といい、茎の先端にある芽が旺盛に生長しているときは、わき芽の生長が抑えられて枝分かれせず、このままでは花つきの少ない貧弱な株になってしまいます。そこで、摘心します。先端の芽をとり除くと、頂芽優勢が崩れて、下部の葉の付け根からわき芽が伸び出します。わき芽がふえればボリュームがまし、花数もふえて、次々とにぎやかに咲きます。
花をたくさん咲かせる
本葉が6~8枚のころに、先端の芽を摘み取り、わき芽をたくさん発生させると、それぞれの枝に花がつき、花数がふえる。
1)サルビア
作業適期 5~8月
① 7~8枚ほど葉がついたら先端部分を摘み取る。
② 葉の付け根からわき芽が伸びる。
③ 枝数が多くなり大株に育ち、花数も多くなる。
2)小ギク
作業適期 6~7月
① 挿し芽から育てた苗の、葉が7~8枚で草丈10cmくらいのときに最先端の芽を5㎜か1cmの長さで摘み取る。
② わき芽が6~7cmになったら、各わき芽の先端を摘む。摘心が遅れると花が咲かなくなることがあるので、10月下旬咲きのものでも8月上旬までに最後の摘心をする。
葉をたくさん収穫する
バジルやセージなどのハーブや秋まきのシュンギクなどは摘心することによって枝数が多くなり、収量がふえる
1)バジル
作業適期 6~9月中旬
① 草丈が15cmほどになったら先端を摘む。
② わき芽が伸び出したら、さらに伸びたわき芽の先端も摘み取ると葉数が多くなり、たくさん収穫できる。
2)シュンギク
作業適期 草丈15~20㎝に育ったころ
秋まきのシュンギクは下葉を4~5枚残し、上部を摘み取ると、わき芽が伸びて葉数がふえ、収穫が多くなる。