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ハナミズキとは?由来や興味深い逸話とヤマボウシとの見分け方をご紹介

春に紅やピンク、白色の花を咲かせるハナミズキ。

多くの家庭の庭で育てられていて、すっかり日本の花木として定着していますが、日本での歴史はまだ100年ちょっとだということを、ご存知でしょうか?

ここでは、ハナミズキとはどういう花木なのか、ハナミズキにまつわる興味深いお話とあわせてご紹介します。

ハナミズキとは?

ハナミズキは、北アメリカ原産のミズキ科ミズキ属の落葉高木。

和名は「花水木」で、別名「アメリカヤマボウシ」。春に枝を切った時
水のような樹液が滴ることから「水木」という漢字が当てられたとされています。

そして、ハナミズキはミズキ科の植物の中でもひときわキレイな花を咲かせることから「花」が頭に付けられました。

春になると白やピンクの花を咲かせることで知られているハナミズキ。実は、この白やピンクの花は「総苞片」と呼ばれる葉っぱにあたります。

実際のハナミズキの「花」は、総苞片の真ん中にある1cm程度の黄緑色の部分です。

花のように見えている部分が葉っぱだからこそ、その彩を長く楽しむことができるのはおもしろいですね。

また、ハナミズキは春の花を楽しむのはもちろん、秋には真っ赤に色づく紅葉、冬場の落葉など、四季を通じていろいろな変化を楽しむことができます。

いつ日本にハナミズキが伝わった?

北アメリカ原産のハナミズキが日本に伝わったのは、大正4年(1915年)のこと。

明治45年(1912年)、東京市長の尾崎行雄氏がアメリカのワシントンD.C.にソメイヨシノの苗木を寄贈しました。そしてアメリカからそのお礼として、40本のハナミズキが贈られます。

この出来事がハナミズキの「返礼」という花言葉の由来だとされています。

送られてきたハナミズキの苗木は、東京の小石川植物園や日比谷公園などに植えられました。が、その多くは第二次世界大戦中に「敵国の花」として切り倒されてしまったのだとか。

戦後、原木の調査が行われ、当時のもので残っているものは都立園芸高等学校にある1本のみと言われています。

アメリカからハナミズキが贈られて100年目にあたる2015年には「ハナミズキ百年祭」が執り行われました。

そんなハナミズキの花言葉には、「返礼」のほかに「私の想いを受け取ってください」や「永続性」、「逆境に耐える愛」などがあります。

「私の想いを受け取ってください」は前述したエピソードにちなんだもので、もう一つの花言葉「永続性」は、ハナミズキの他の木に比べてゆっくり、でも確実に成長することから付けられたものとされています。

キリストのはりつけに使われた木?

「返礼」や「永続性」など、さまざまな花言葉とともに親しまれているハナミズキですが、その昔、頑丈で太い幹をもっていたためにキリストをはりつけにする木に選ばれたという逸話も。

ハナミズキは、自身がそんな残酷な企みに使われてしまったことをひどく悲しみますが、復活したキリストがその姿を見て、同じことが起きないようにとハナミズキを細く折れ曲がった幹にしてくれたと言われています。

あくまで伝説だとされていますが、この後から花びらも十字架のような形になったとか。

キリストがはりつけにされた木は諸説ありますが、キリスト教を信仰する方にとってはネガティブなイメージのある花でもあるので、贈る際には注意が必要です。

ハナミズキには、この逸話の他に「樹皮を煮て作った汁を犬の皮膚病の治療に使っていた」という話も。

ここから「Flowerdogwood」という英名が付けられたとされています。

ヤマボウシとの見分け方

ハナミズキとよく似ている樹木に「ヤマボウシ」がありますヤマボウシは、ハナミズキと同じくミズキ科の花木。

ハナミズキとヤマボウシを見分けるコツは、花の咲く時期や花の形、葉や実、幹を観察することです。


花の咲く時期
ハナミズキの花は、4月中旬~5月中旬に咲きます。一方、ヤマボウシの花は少し遅めで5月~6月に開花します。つまり、花の時期でも、ある程度見分けることが可能です。

花の形、葉
ハナミズキもヤマボウシも、花弁(正しくは総苞片)は4枚ですが、ハナミズキの花の先端が少し凹んでいるのに対し、ヤマボウシの花びらの先端はとがっています。

この花も、ヤマボウシはたくさんの葉の上に乗るように咲きますが、ハナミズキの葉は花と同時、もしくは花の後に発生します。花より前に葉が出ていれば、ヤマボウシの花、と判別することが可能というわけです。


花が咲いた後に実る実にも違いがあります。

ハナミズキは赤く光沢のある1cm程度の小さな実が集合して実るのに対して、ヤマボウシは光沢のないオレンジや赤色で2~3cmの丸い実がなります。そして、ハナミズキの実は食べることができないのに対して、ヤマボウシの実は食べることも可能。

見た目が大きく違うので、すぐ見分けることができるでしょう。

花や実がついていない時期に見分けるコツは幹

この時期の見分け方は幹を比べることですが、ハナミズキとヤマボウシの幹の違いはひび割れているかどうか、ということ。もし、ひび割れてごつごつしていたら、その樹木はヤマボウシと判断することができます。

花をつける時期、実をつける時期が似ているので間違えることもあるかもしれませんが、これらのポイントからぜひ見分けてみてください。

ハナミズキの育て方はこちら

四季を通してさまざまな彩を

ハナミズキについていくつかご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか? 

春は花、夏には緑、そして、秋には赤い実を楽しめるハナミズキ。

耐寒性・耐暑性に優れ、寒冷地を除いて地植えで育てることができるので、庭に迎え入れてみては?

半日陰でも栽培可能なため、シェードガーデンに植えられることも多いですが、日向で育てると花や紅葉を満喫できますよ。

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