ガーデニング・園芸のことなら住友化学園芸のeグリーンコミュニケーション
【イングリッシュローズ】秋の開花を楽しむために9月に行いたいお手入れ
豊かな香りと優雅な花姿が多くのロザリアンを魅了しているイングリッシュローズ(バラ科)。
夏の暑さがだんだん和らぎ、秋の訪れを感じる9月は、イングリッシュローズの栽培に大事な時期。
秋の開花を楽しむとともに、冬を健康に越すために欠かせないお手入れのコツをご紹介します。
●そもそもイングリッシュローズとは?
イングリッシュローズとは、実は植物学における分類名ではありません。イギリス人のバラの育種家、デビット・オースチン氏が生み出した、さまざまな品種のブランド名ともいえる総称です。
華やかな香りと花形をオールド・ローズから、そして、育てやすさと多彩な色をモダン・ローズからと、それぞれの長所を継承し「究極のバラ」ともいわれます。
1961年に第1号が発表されてから、現在では200種以上が誕生し、多くのロザリアンに育てられています。
●9月は美しい樹形と成長のために剪定を
四季咲き性や繰り返し咲き性の品種は、9月の夏剪定が欠かせません。
傷んだ枝や枯れ枝、細く短い枝を間引き剪定しましょう。枝が茂りすぎている場合は、込み合った枝を取り除いて、風通しを確保。
また、全体のバランスを見ながら、形を整える切り戻しも行いましょう。切り戻しは、外向きの芽の上で斜めに切り、新しい枝が外側に成長するよう促します。
このとき注意したいのは、葉をある程度残すこと。葉がほとんどないバラは、むやみに剪定する必要はありません。病害虫によって葉がほとんど落ちてしまったバラは、花がらやツボミを摘み取って、病害虫駆除の薬剤を散布してください。
9月に剪定すれば、10~11月に花が咲きます。剪定することで花数が増えるとともに、花径が大きく華やかな花が期待できます。
●2回の施肥で秋の開花をサポート
イングリッシュローズは、秋に2回の施肥を行うことが大切です。
1回目は、夏剪定の前の葉がある時期、2回目は9月中旬〜下旬に肥料を与えましょう。
9月中旬〜下旬に施肥する際のタイミングは、剪定後の3〜4枚の新芽が伸びた頃が目安です。
鉢植えのイングリッシュローズには、規定量のバラ専用の液体肥料を1週間に一度、施してください。
※イングリッシュローズの液肥の決定版!「マイローズばらの液体肥料」
庭に地植えしているイングリッシュローズには、株元から30cm程度離れた場所に適量の粒状肥料をまきましょう。肥料が根に直接触れないようにすること、施肥後に水やりをして土壌に浸透させることがポイントです。
※イングリッシュローズの粒状肥料は「マイローズばらの肥料」を!
●土の状態を確認しながら水やりを
9月は暑さが残る日があるものの、徐々に気温が下がり、水分の蒸発も段々減ってくる時期。
土の表面から2〜3cm程度の深さの場所が乾いていたら、水やりのサインです。
早朝または夕方の涼しい時間に根元にゆっくりと水を与えましょう。
●病害虫対策も欠かさずに
バラ栽培では、さまざまな病害虫対策が欠かせません。9月は特に、うどんこ病や黒星病、アブラムシの発生に注意が必要です。
それぞれの病害虫への対策は以下の通りです。
うどんこ病
新しい葉や茎、蕾に白い粉状のカビが発生する病気。放置すると光合成を妨げ、生育障害が起こります。
空気感染するため、発生しているのを見つけたらすぐにうどんこ病にかかった葉を切り取って水で洗い流し、薬剤を散布しましょう。
うどんこ病菌は日光が苦手なので、日当たりをよくすることも大切です。
黒星病
黒星病は、雨が多い時期に発生しやすい病気。葉に黒い斑点が現れ、放置していると葉は黄色くなり落葉します。
発生しているのを見つけたら、症状のある葉を取り除いて薬剤を散布しましょう。
地表で跳ね返った水によって土壌の糸状菌がかかることで感染するため、水の跳ね返りを防ぐマルチングが有効です。
アブラムシ
春から秋にかけて発生する害虫です。新芽について吸汁するため、アブラムシが付くとバラが弱る原因に。
とても小さく防ぐことは難しいので、早めに発見して対処することが重要です。
数が少ないうちは1匹ずつ駆除を。水で洗い流す、テントウムシなどの天敵を利用するのも有効です。
●台風対策も欠かさずに
9月は台風到来のシーズン。強風で枝が折れたり、倒れたりする恐れがあるため、台風の前には対策を欠かさないようにしましょう。
移動できるものは雨風が当たりにくい場所へ移動を。移動できないものは支柱を立てて固定し、周りに防風ネットを張ってください。
防風ネットを張ったままにしてしまうと風通しが悪くなるため、台風が通過したら早めに外してお手入れを。
秋の開花に向けてしっかりとお手入れを
9月は秋の開花に向けて大事な時期。
しっとりとした秋バラを満喫するために、ご紹介した内容を参考にしっかりお手入れしてください。
\オフィシャルSNS/
eグリーンコミュニケーションは、家庭園芸に関する悩みの解決方法、ガーデニングライフを楽しんでいただくための植物の育て方、虫や病気や雑草に関する情報をお届けしています。
住友化学園芸では、家庭園芸用殺虫剤・殺菌剤・除草剤・肥料のほか、くらしに関連するさまざまな商品を扱っています。