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ハロウィンの季節といえば、街のあちこちにカボチャ(ウリ科)のオブジェがあふれています。なぜ「ハロウィンといえばカボチャ」なのでしょうか?
疑問に思っても「そういうものだから」と思っている方も少なくないでしょう。
今回は、「ハロウィンと言えばカボチャ」が当たり前になった理由と、カボチャの育て方などについて、分かりやすくご紹介します。
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ハロウィンといえば、カボチャをくりぬいた「ジャック・オー・ランタン(Jack-o'-lantern)」をイメージする方が多いと思います。この「ジャック・オー・ランタン」は直訳すると、「ジャックの手提げランプ」という意味を持つ言葉。
言い伝えによると、ジャックは悪行を重ねた農夫だそう。死後、天国はおろか地獄にも行けなくなり、カブをくりぬいたランタンの中に悪魔からもらった小さな火を灯し、暗い道を永遠にさまよい続けたとされています。
このハロウィンの風習が19世紀後半にアメリカに伝わったときには、カブの生産量が少なくカボチャの生産量が多かったことから、「カブ」が「カボチャ」に変わったと言われています。
これが世界中に広まり、ハロウィンにはカボチャが定着して今に至ります。
日本では主に、西洋カボチャ、日本カボチャ、ペポカボチャの3種類のカボチャが栽培されています。
ハロウィンで使われるカボチャのほとんどは「ペポカボチャ」。
中でも、「おもちゃカボチャ」「ハロウィンカボチャ」「プッチィーニ」「ベビーパム」「アトランティックジャイアント」などの品種がハロウィンに使われています。
ハロウィンに使われる代表的な品種と特徴は下記の通りです。
・「おもちゃカボチャ」は観賞用のもの。
丸い形からヒョウタンのような形まで、さまざまな色と形のものがあります。
・「ハロウィンカボチャ」はジャック・オー・ランタンに最適。
30cmから50cmの大きさで、こちらも主に観賞用として作られています。
・「アトランティックジャイアント」は世界一大きなカボチャと言われる品種。
こちらも主に観賞用で、ハロウィンのランタンとして使われています。
カボチャは、一般的に地面を這わせる形で栽培します。
実は地面の上で育つので、実の下のほうは陰となって日が当たりません。その結果、実の下が色付かなくなります。
これを防止するために欠かせないのが、ときどき実の位置を操作して、実の色づきを均一にする「玉直し」です。
重要なのはゆっくり動かすこと。90度以上実を回してしまうと千切れてしまうことがあるので注意してください。
もし、玉直しするのを忘れてしまい、カボチャの一部に色がつかなくても、味が落ちるということはないのでご安心を。
カボチャをブドウのように立体栽培する場合は、実が空中で育って全体に日が当たるため、玉直しの必要はありません。
カボチャの収穫は、開花してから40~50日後が一般的です。が、坊ちゃんカボチャは開花してから30~40日後が収穫期と言われるなど、カボチャの種類によってその収穫時期は前後します。
収穫のタイミングは、実と枝を結ぶ果梗(かこう)や果皮の色と硬さで判断しましょう。
白く乾いてひび割れが入り、コルクのようになった時がベストタイミング。
つやが無くなり、爪を立てた時に傷が付かない状態になったら、収穫してください。
早く収穫すると、果皮が薄いので傷がつきやすく、水っぽく甘みが足りないことも。一方で、遅く収穫すると果皮の変色や腐ってしまうことも。
収穫時期はしっかり見極めましょう。
収穫したてのカボチャは、甘みが弱く水っぽさがあります。涼しく風通しがいい場所で「追熟(キュアリング)」してから食べるのがおすすめです。
収穫後、2~4週間かけて追熟すると、デンプンが徐々に糖に変化。カボチャ独特の甘みが増します。
涼しく風通しがいい場所に置いておくだけで追熟できますが、気温や湿度が高いとカボチャが傷んでしまいます。気温や湿度が高い場合は冷蔵庫の野菜室に入れてください。
なお、追熟したカボチャは、カットする前なら1~2ヵットした後は1週間程度保存できます。
カットしたカボチャは、わたと種を除いてラップをした状態で冷蔵庫にて保存しましょう。
※カボチャ(地植え)の育て方はこちら
/cultivation/detail/3949/
カボチャというと、果肉を使った料理が一般的ですが、手を加えることで種も美味しく味わうことができます。
殻付きのまま米を研ぐように洗い、水気を切って天日干しします。オーブンで焼くか軽く炒めて完成。
殻を剥いて、柔らかく甘い実だけ食べても良いですし、殻付きのまま食感を楽しむことも。
おやつやおつまみ、サラダのトッピングやケーキのデコレーションなど、ぜひ活用してみてください。
ハロウィンとカボチャ~なぜカボチャなの?という疑問から育て方まで詳しく解説~園芸知っトク情報のページです。
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