薬剤を効果的に使用するための基礎知識として薬剤の剤型について解説します。どのような剤型があるか、剤型ごとの特徴・利点や使用上の注意点を一覧にまとめました。
うすめずそのまま使用できる剤型
エアゾール剤
利点
- 手を汚さず手軽に使用できます。
- ベランダ園芸はもちろんのこと、広い庭でも応急用として利用できるため、常備薬としてそろえておくと便利です。
- 害虫と病気を一緒に退治する便利な殺虫殺菌剤もあります。
注意点
- 近接散布は冷害を起こすため、必ず一定の距離(30cm以上)を離して使用します。
- 葉がびしょびしょに濡れるまで過剰噴霧すると、中に入っている成分や溶剤等により薬害が出る場合があるので注意してください。
スプレー剤
利点
- うすめる手間がなく、そのまま使用できます。
- 近接散布をしても冷害がでません。
- 部分的なポイント散布ができます。
- 害虫と病気が同時に防除できる殺虫殺菌剤もあります。
注意点
- 薬液量が限られているので、少量散布のスポット処理等にご使用ください。
- 散布時は風などによる薬剤の飛散・吸入に注意してください。
- かけむらがないように、葉先からしたたり落ちる程度に植物全体にていねいに散布します。
粉剤
利点
- 散布あとがはっきりとわかり、かけむらが防止できます。(不快)
- 広い面積に散布する時に便利です。(不快)
- 害虫をよせつけないバリア効果もあります。(不快)
- 土に混ぜ込みやすい。(農薬)
注意点
- 散布した部分が汚れますので散布場所に注意してください。(不快)
- 一カ所の集中散布は薬害の原因になります。(不快)
- 散布時は風などによる薬剤の飛散・吸入に注意してください。(不快・農薬)
- 植物には直接散布しないでください。(不快)
- 室内では使用しないでください。(不快・農薬)
粒剤
利点
- そのままパラパラと散布できます。ボトル入りまたは箱入り、袋入りと容量によりさまざまです。
- 長期間効果が持続する商品が多いです。
注意点
- 土に湿気のある時に散布するのが効果的です。
- 草丈の高い植物には不向きです。(浸透移行性剤の場合)
- 一般的に遅効性です。
- 一カ所に集中せずに均一に散布してください。
- 散布時は風などによる薬剤の飛散・吸入に注意してください。
ペレット剤
利点
- 害虫のエサに薬剤を練り込んだもので、おびきよせ食べさせて退治します。ナメクジ、ダンゴムシ、ネキリムシなどの昼間隠れて夜活動する害虫に有効です。
- 植物を加害する前に害虫を誘引して退治できます。
注意点
- 夜間活動する害虫の防除を目的に使用する時は、夕方散布するようにします。
- やわらかくなったり、かびが生えてくると誘引効果が劣るため、乾燥した場所で使用してください。
- 小児や犬、猫などペット類が食べないように注意してください。
シャワー剤
利点
- うすめる手間がなく、そのまま散布できます。
- シャワータイプなので、まきたい場所に直接確実に散布できます。
注意点
- 室内では使用しないでください。
- 散布時は風などによる薬剤の飛散・吸入に注意してください。
水でうすめて使用する剤型
乳剤・液剤類
利点
- 液状の原液タイプ。少量の薬剤で大量の散布液がつくれるので広い面積に噴霧器などで散布する時に便利です。
注意点
- 希釈濃度を守って使用してください。極端に高い濃度で散布すると薬害を生じるおそれがあります。濃度を高くすれば効果も高まる と思われがちですが、逆に植物にも影響を与えますので注意してください。
- 水で希釈した散布液は保存ができません。必ず散布のつど必要量だけ水でうすめてつくってください。
- 散布は必ず専用の噴霧器などで行ってください。
- 散布液をつくる際には展着剤のご使用をおすすめします。(水和剤で散布液をつくる場合必ず展着剤をご使用ください。)
- 散布時は風などによる薬剤の飛散・吸入に注意してください。
水和剤・水溶剤類
利点
- 少量の薬剤で大量の散布液がつくれます。
- 微粉タイプなど、分包されていて、散布液が必要量に応じてつくりやすい商品が多いです。
注意点
- 希釈濃度を守って使用してください。極端に高い濃度で散布すると薬害を生じるおそれがあります。濃度を高くすれば効果も高まる と思われがちですが、逆に植物にも影響を与えますので注意してください。
- 水で希釈した散布液は保存ができません。必ず散布のつど必要量だけ水でうすめてつくってください。
- 散布は必ず専用の噴霧器などで行ってください。
- 散布液をつくる際には展着剤のご使用をおすすめします。(水和剤で散布液をつくる場合必ず展着剤をご使用ください。)
- 散布時は風などによる薬剤の飛散・吸入に注意してください。