5月-2.今日も庭にいます。
「STAY HOME」。みなさん、いかがおすごしでしょうか。「みちくさ」はギュッと凝縮し、在宅できる時間はホームガーデニングに没頭しています。だってこの季節は、そもそも植え替え繁忙期。去年できなかった多年草や大物花木の植え替えも、放置したままだった古土の再生も、作業が次々と数珠繋ぎに現れて、終わることを知りません。
地味だけど、大切な作業
この冬から早春にかけて、つる性や半つる性のブッシュ樹形のバラを思い切った仕立て直しをしたのですが、それに奔放に伸びてきたクレマチスが絡まってきて、いい具合に花の共演を見せてくれそうです。
無数の蕾を上げるバラとクレマチスのその株を視界の隅に置きながら、私は延々と地味な作業を続けます。まずは植え替え。株分けしてビニールポットでいただいたままの植物、これから勢いを増してぐんぐん育つハーブなど、狭いスペースながらもあれこれ見つかるもの。室内の観葉植物も、植え替え適期です。
ふと狭小庭の片隅に目をやれば、萼片を緑に染めながら、緑濃くなる庭の風景に溶け込んでいくクリスマスローズがありました。さて、ではクリスマスローズも植え替えか? と思いがちですが、こちらはこれから夏に向けて休眠期に入ります。秋になってから古葉を切って、植え替えましょう。花後のお礼肥を与えたら、あとは景色になじむのを待つだけ。
冬から春まで楽しませてくれたシクラメンも同じで、やはり夏の休眠に入ります。クリスマスローズと同様に、秋の初めに植え替えるのが一般的。でもすでに休眠に入っている株があれば、本格的な夏を迎える前に植え替えてしまうという人もいますから、今年は来月あたりにそのやり方にトライしてみたいと思います。スイセンの植え替えも一緒に作業してみる予定。
大型連休が終わって、ようやく最低気温は10℃以上をキープできているよう。トマトやナスなどの取り込みや防寒の手間がなくなります。それと同時に、観葉植物を室内から外に出すことも可能になります。日が高くなって、軒下の深い部分には、日差しが届かなくなりました。このような場所は観葉植物の置き場所としてぴったりです。外気に触れさせることで、彼らは熱帯植物らしく生き生きと成長期を迎えるでしょう。もちろん、肥料をしっかり施すことが大切です。
植え替えで古土が生じたら
さて、植え替えで生じた古土は、古根や異物を取り除いたのちに、トロ箱やシートに広げたり、ビニール袋に入れて天日に干します。1〜2週間ほど、晴天の日にさらせばOK。
古土をためてしまって量が多い場合は、小分けにして干すことになりますが、これはなかなか根気がいる作業。この時期しかできない作業ではないので、時間のあるとき、気長に黙々と天日干しすればよいのですが、できれば梅雨入り前に済ませておきたいのです。なお、逆に古土が少量であれば、蒸し器で加熱殺菌することもできます。その場合は専用の器具を用意した方がよいでしょう。
天日干しを終えた土はふるいにかけて袋に入れて、風通しのよい場所で保存します。利用するときは、新しい培養土に全量の1/3ほど混ぜて使うようにします。古土再生資材があれば、それを利用します。
春から初夏へ移ろう時期は、さまざまな花の開花が連続するころ。だから例年、観賞や仕事であちこちに出かけることに忙殺されて、自分のガーデニングは手薄になりがちだったり、できないことがストレスになってしまうことがありました。
でも今年はSTAY HOMEが不幸中の幸いで、在宅の推奨に乗っかって、焦らず、できることを楽しもうと思います。作業中に埃を吸い込んだりしないように、念のためマスクを忘れずに!
- コラム|ウチダ トモコ
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園芸ライター、グリーンアドバイザー、江戸東京野菜コンシェルジュ。
園芸雑誌、ライフスタイル誌などの編集、ライターを経て、現在は主にウェブで提案および取材執筆活動中。