4.基本のタネまきと植え付け作業
4-11.野菜苗の植え方
野菜の生育は温度や日長の影響を強く受けるので、適期に植え付けることが大事。高温を好むピーマンやトマト、ナスなどの夏野菜は早く植えすぎると、温度が低すぎて生育が悪くなります。夏野菜なら遅霜の心配が無くなるころまで待って植えます。
また、植え付けに適した苗の大きさもあります。植え付けの時期より大分早くから苗が出回り、売り切れなどの心配があって、早めに購入することもあります。買った苗が小さいときは、適切な大きさになるまで育て、必ず適期を待って植えます。植え付けの作業は、苗が折れたり、しおれたりしないよう、風のない曇った日が最適です。
菜園への植え付け
ナスの植え付け適期(中間地)は4月下旬~5月上旬
① 植え付け適期の苗は本葉7~9枚で、つぼみや一番花がついているもの。
② 1週間前に土づくりをして立てた畝に、株間60cmをとって苗を置く。
③ 根鉢の大きさの植え穴を掘る。
④ 植え穴に十分水を注ぐ。
⑤ 根鉢を崩さないよう、ポットから苗を抜く。
⑥ 植え穴の水が引いたら根鉢を崩さずに、子葉を埋めないように、浅く植えつけ、株元を軽く押さえて安定させる。
⑦ 風で苗が振り回されないように、仮支柱を立てる。
⑧ たっぷり水をやる。
コンテナへの植え付け
サニーレタスの作業適期(中間地)は4~5月上旬、9月中旬~10月中旬
① 植え付け適期の苗は、本葉4~5枚。
② 鉢底網を敷いてゴロ土を入れ、ウォータースペース分をとって市販の培養土を入れる。
③ 15~20㎝の間をあけて、根鉢より大きめの植え穴を掘る。
④ 根鉢を崩さずに浅目に植え、足りない土を足す。
⑤ 苗が倒れないよう、ジョウロの水を手に受けてたっぷり水やりする。
* 用土を手づくりするときは、赤玉土(小粒)6、腐葉土3、バーミキュライト1の割合で混ぜ、そこに1ℓ当たり苦土石灰1~2g、化成肥料1~2gを混ぜる
植え付けと同時に行う作業
植え付けた直後に、根鉢を畑の土になじませるために株元にたっぷり水をやり、苗が風で振り回されないように仮支柱を立てます。また、春先や秋口には防寒や防虫のために、寒冷紗のトンネルをかけると、その後の生育もよくなります。
仮支柱を立てる
細くて短い支柱を斜め45度の角度になるように立て、茎を誘引する。紐は、茎に回して8の字にひねって支柱に結ぶ。
ホットキャップ
夏野菜などは遅霜の心配があるので、ホットキャップをかけて防寒する。
簡単にできる防寒
防虫ネットをかける
キャベツなど葉菜類は、苗のときに食害されると、その後の生育に影響が出るため、防虫ネットのトンネルをかけるとよい。
コンテナには細い支柱を弓形に曲げてコンテナにさして、寒冷紗をかけ洗濯バサミで止める。
コンパニオンプランツを利用する
共栄作物ともいい、野菜どうしが助け合い、互いによい影響を与えるのがコンパニオンプランツ。病害虫の被害が軽減できるといわれ、ネギとキュウリを一緒に植えるとキュウリのつる割れ病が発生しにくくなります。
コンパニオンプランツとして知られるマリーゴールドを菜園に植えると、センチュウの軽減に役立つ。
ネギとキュウリを一緒に植えると、キュウリのつる割れ病が発生しにくい。
連作障害を起こさないために
同じ場所で同じ科に属する野菜を何年もつくり続けると、特定の病気や害虫が多発して収穫が減少します。これが連作障害です。トマトのあとにトマトをつくることはもちろん、ジャガイモやナス、ピーマンなどナス科の野菜をつくっても障害が出ます。連作障害を防ぐためには、同じ場所に同じ仲間の野菜を植えないことが大事。種類を変えて栽培する「輪作」を取り入れ、接木苗などで連作障害のリスクを少なくする工夫をしましょう。
連作を避ける期間の目安
野菜によって同じ場所に植えてはいけない年数が決まっています。その基準を守ってローテーションを組み、計画的に栽培しましょう。
連作障害が少ない野菜
カボチャ、サツマイモ、シソ、タマネギ、トウモロコシなど
1、2年間休むとよい野菜
シュンギク、セロリ、ネギ、ホウレンソウ、ミツバ、ゴーヤー、リーフレタスなど
2~3年間休むとよい野菜
インゲン、オクラ、カブ、カリフラワー、キャベツ、ジャガイモ、ハクサイ、ブロッコリーなど
3~4年間休むとよい野菜
イチゴ、エダマメ、キュウリ、トウガラシ、ピーマン、メロンなど
4~5年間休むとよい野菜
サトイモ、ショウガ、トマト、ナスなど
5年休むとよい野菜
エンドウ、ゴボウ、スイカ、ソラマメなど