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知っておきたい園芸情報 - 園芸知っトク情報秋の七草とは?種類や覚え方、春の七草との違いを学ぼう

七草粥にして食べる春の七草は比較的身近ですが、秋の七草については詳しく知らない人が多いかもしれません。秋の七草は、万葉集に収められている山上憶良(やまのうえのおくら)が詠んだ和歌がもとになり広まりました。

この記事では、秋の七草の種類や覚え方、春の七草との違いを紹介します。ご自宅で育てやすい品種もあるので、来秋に向けて参考にしてみてください。

目次

まずは、クイズで秋の七草に関する知識を深めていきましょう。

秋の七草に関する3択クイズ

◇問1.秋の七草に"入っていない"のはどれ?

A. キキョウ(桔梗)/B. ナデシコ(撫子)/C. センブリ(千振)

・答え
C. センブリ

センブリは秋の七草には含まれません。秋の七草は以下の7つです。
● ハギ(萩)
● オバナ(尾花。ススキの別名)
● クズ(葛)
● ナデシコ(撫子)
● オミナエシ(女郎花)
● フジバカマ(藤袴)
● キキョウ(桔梗)

語呂合わせで覚える方法としては、オミナエシ・ススキ・キキョウ・ナデシコ・フジバカマ・クズ・ハギの頭文字を取った「お好きな服は?」などがあります。

◇問2.秋の七草の扱い方として正しいものはどれ?

A. 天ぷらにして食べる/B. お粥に入れて食べる/C. 食べずに鑑賞する

・答え
C. 食べずに鑑賞する

春の七草と秋の七草は、目的が大きく異なります。まず、春の七草は以下の7つです。

● セリ(芹)
● ナズナ(薺)
● ゴギョウ(御形)
● ハコベラ(繁縷)
● ホトケノザ(仏の座)
● スズナ(菘)
● スズシロ(蘿蔔)

これらを刻んで入れた七草粥を、五節句の一つ「人日の節句」(別名「七草の節句」)である1月7日に食べることで、無病息災を願います。

一方、秋の七草は食用ではありません。その美しさを愛でて、季節の移り変わりを楽しむためのものです。

秋の七草を楽しむ時期は9月中旬~初秋で、秋のお彼岸の時期(秋分の日を中日として前後3日間、合計7日間)と重なります。

◇問3.秋の七草のなかで秋のお彼岸と関係があるものはどれ?

A. ハギ(萩)/B. オミナエシ(女郎花)/C. キキョウ(桔梗)

・答え
A.    ハギ

秋のお彼岸と関係が深いのが「ハギ」です。実は、お彼岸に食べる「おはぎ」の名前は、このハギの花に由来しています。

お彼岸に食べる「ぼたもち」と「おはぎ」は材料も作り方も同じですが、食べる季節によって呼び名が変わります。春のお彼岸に食べるのは、春に花を咲かせる牡丹にちなんで「ぼたもち」、秋のお彼岸に食べるのは、秋に花を咲かせる萩にちなんで「おはぎ」と呼ばれるのです。

秋の七草の種類

ここからは、秋の七草として知られる植物を一つずつ紹介します。

◇ハギ(萩)

ハギはマメ科・ハギ属の落葉低木の総称です。万葉集にも頻繁に登場するなど、古くから日本人に親しまれてきました。

ハギには多くの種類がありますが、なかでもミヤギノハギが最も広く栽培されています。自生がないことから、人為的に交配されて生まれたと考えられています。

ハギは、日当たりの良い場所で育ちやすいのが特徴です。しだれるようにして、7月~9月頃に、赤紫やピンク、白の小さな花を咲かせます。

名称 ハギ
学名 Lespedeza
科・属名 マメ科・ハギ属
原産地 東アジア(日本含む)、北アメリカ
花の色 赤紫、ピンク、白
草丈・樹高 1.5~2m
開花期 7~9月
英名 Bush clover

ハギの育て方はこちら>>

◇オバナ(尾花)

オバナはススキの別名です。イネ科ススキ属の多年草で、高原や草原、空き地の日当たりの良い場所に広く見られます。

秋を象徴する植物として、十五夜の飾りや花鳥画、蒔絵の秋草模様などに古くから取り入れられてきました。かつては、屋根を葺く材料として使われていた歴史もあります。

冬になっても姿がそのまま残り、ドライフラワーになったものは「枯れススキ」と呼ばれ、その言葉は俳句の季語としても使用されています。

名称 オバナ(ススキ)
学名 Miscanthus sinensis
科・属名 イネ科・ススキ属
原産地 日本、中国、朝鮮半島、台湾
花の色
草丈・樹高 1~2m
開花期 9~10月
英名 Japanese pampas grass、silver grass

◇クズ(葛)

クズはマメ科クズ属のつる性多年草です。山野だけでなく、街中の公園や空き地でもよく見られます。フジ(藤)を逆さにしたような形の、甘い香りがする花を咲かせるのが特徴です。

クズという名前の由来は、葛粉の原産地として知られていた、現在の奈良県にあたる大和国にあった国栖(クズ)という地域とされています。

根は葛粉や葛根湯などの形で薬用・食用として利用されていますが、一方で非常に繁殖力が強く、一度生えると駆除が難しい雑草としての側面もあります。

葉が風に吹かれると白っぽい葉裏が目立つことから、平安時代には「裏見(うらみ)」を「恨み」にかけた和歌が数多く詠まれました。

名称 クズ
学名 Pueraria montana var. lobata
科・属名 マメ科・クズ属
原産地 日本、中国、朝鮮半島、台湾、フィリピン、インドネシア、ニューギニア
花の色 赤紫
草丈・樹高 5m以上
開花期 7~9月
英名 Kudzu、 Japanese arrowroot

◇ナデシコ(撫子)

ナデシコは、ナデシコ科ナデシコ属の耐寒性常緑多年草の総称です。古くから改良が繰り返され、多数の品種が生み出されてきました。

秋の七草に数えられるのは、カワラナデシコ(河原撫子)という品種です。

花の色は白や赤、ピンクなど多種多様で、庭植えだけでなく切り花としても人気が高く、一年を通して市場に出回っています。また、花はエディブルフラワー(食用花)としても栽培されている品種があります。

名称 ナデシコ
学名 Dianthus
科・属名 ナデシコ科・ナデシコ属
原産地 アジア、ヨーロッパ、北アメリカ、南アフリカ
花の色 白、赤、ピンクなど
草丈・樹高 10~80cm
開花期 4~11月
英名 Dianthus、Gillyflower

◇オミナエシ(女郎花)

オミナエシはスイカズラ科オミナエシ属の多年草で、北海道~九州の日当たりの良い草地に自生しています。別名でチメグサ、ハイショウとも呼ばれます。

夏から秋にかけて、小さな黄色の花を咲かせるのが特徴です。丈夫な性質で、一度植えると特に手入れをしなくても育つため、ガーデニング初心者にも扱いやすい植物です。

オミナエシという名前は、「オミナ(女の意)」と古語の「ヘシ(圧)」が変化した「エシ」が組み合わさってできたものといわれています。この言葉には、「女性が負けてしまうほど美しい花」という意味が込められています。

名称 オミナエシ
学名 Patrinia scabiosifolia
科・属名 スイカズラ科・オミナエシ属
原産地 日本、中国、シベリア
花の色
草丈・樹高 1~1.5m
開花期 8~11月
英名 Eastern valeria

◇フジバカマ(藤袴)

フジバカマはキク科ヒヨドリバナ属の多年草で、関東や四国、九州の河原など湿った場所を好みます。葉が三つに裂けており、茎の先に小さな筒状の花が房のようにたくさん咲くのが特徴です。

フジバカマという名前の由来は、花の淡い藤色と、花冠の形が袴に似ていることです。

葉にはクマリンという成分が含まれており、桜餅に似た甘い香りがします。古くから日本に自生しており、万葉集や源氏物語、徒然草などの古典にも登場します。

名称 フジバカマ
学名 Eupatorium japonicum
科・属名 キク科・ヒヨドリバナ属
原産地 東アジア
花の色 藤、白
草丈・樹高 1~1.5m
開花期 8~10月
英名 Thoroughwort

フジバカマの育て方はこちら>>

◇キキョウ(桔梗)

キキョウはキキョウ科キキョウ属の宿根草です。自生しているものは絶滅危惧種に指定されていますが、江戸時代から品種改良が重ねられ、現在ではたくさんの園芸品種が流通しています。

初夏から秋にかけて、星形の美しい花を咲かせるのが特徴です。開花期間が長く、暑さにも強いため、夏のガーデニングによく利用されます。

花の色は紫や青のほか、白やピンクもあります。つぼみが風船のように膨らむことが、「Balloon flower(バルーンフラワー)」という英名の由来です。

名称 キキョウ
学名 Platycodon grandiflorus
科・属名 キキョウ科・キキョウ属
原産地 日本、中国、朝鮮半島
 花の色  紫、白、ピンク、複色など
草丈・樹高   0.5~1m 
開花期  6~9月
英名 Balloon flower、Chinese bellflower

キキョウの育て方はこちら>>

なお、植物を丈夫で美しく育てたいのであれば、肥料や植物活力液の使用がおすすめです。

「マイガーデン粒状肥料」は、さまざまな植物の元肥や追肥に使用できる粒状肥料です。ばらまくだけで効果があり、土壌の温度変化や植物の生育に合わせて溶け出す量が変化するため、初心者でも手軽に扱えます。

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最適な栽培環境を確保できない場合は、バイオスティミュラント活力液「X-ENERGY(エックスエナジー)」の使用がおすすめです。5つのパワー成分を配合し、環境ストレスに負けない丈夫な植物を育てます。

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まとめ

秋の七草は【ハギ(萩)・オバナ(尾花。ススキの別名)・クズ(葛)・ナデシコ(撫子)・オミナエシ(女郎花)・フジバカマ(藤袴)・キキョウ(桔梗)】の7つです。

秋の七草は鑑賞するためのものです。その美しさを愛で、季節の移り変わりを楽しみます。秋の七草のうち、ハギやフジバカマ、キキョウなどは比較的育てやすい植物です。来秋に向けて、ご自宅での栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。

秋の七草とは?種類や覚え方、春の七草との違いを学ぼう園芸知っトク情報のページです。
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