病気のようで病気じゃない~すす病~
すす病とは | 実は「アブラムシ」、「カイガラムシ」、「コナジラミ」など、植物の汁を吸う虫(吸汁性害虫)は、植物の汁を吸う時にアミノ酸などは栄養分として取込みますが糖分は排泄します。その為、体内で濃しとられて濃縮された糖分を含む排泄物(おしっこ)はベタベタしていて、葉や幹に付着します。その付着した排泄物にカビが生えた状態をすす病と言います。つまりすす病は植物に寄生する病原菌ではなく、いわば汚れが葉や幹に付着しているような状態なのです。すす病がよく発生する植物は花木、果樹、野菜(トマト、きゅうり等の果菜類)です。 |
被害症状 | 春から夏にかけて「アブラムシ」、「カイガラムシ」、「コナジラミ」などの吸汁害虫が植物の汁を吸って、排泄物をまきちらすことによって誘発されるので、すす病の発生が多くなるのは夏以降から秋にかけてとなります。すす病を引き起こす原因菌は複数あるので、病斑の様子はその種類により多少異なりますが、基本的には葉、幹、実などが、黒くて粘り気のあるススで覆われたようになります。植物に付着した吸汁性害虫の排泄物に寄生しているだけなので、指でこすると簡単に剥がれ落ちます。またこれらの排泄物は糖分を含むので、なめると甘いことから「甘露」とも呼ばれアリを寄せ付ける原因にもなります。 |
防除方法 | すす病の原因となる「アブラムシ」、「カイガラムシ」、「コナジラミ」などの吸汁性害虫をきちんと退治することが根本的な対策となります。発生してしまったすす病は、幹や枝であれば水でこすり洗いをすればある程度剥がれ落ちます。実についてる場合は、収穫の際に水洗いすることで洗い流すことができます。また、すす病で真っ黒になってしまっているような葉は思い切って剪定するのも一つの方法です。 |