庭や街角の草花の様子が華やかになるにつれ、気持ちも自然とはずんできます。
思い立ったら今季こそ、野菜づくりを始めてみませんか?
サクラの開花は園芸作業スタートの目印になります。野菜の植えつけは、ヤエザクラが散る頃がベスト。
4月に入ったら、スタートに備えて作業ポイントをチェックしたり、準備すべき用品の買い出しを始めましょう。
ベランダや玄関で、我が家のコンテナ菜園のスタートです!
スタートのための基礎知識
コンテナで育てれば、野菜づくりが身近に感じられます。まず大型プランターと培養土、肥料を揃えるところから始めましょう。
野菜をよりおいしく、大収穫を目指すなら、用土がたくさん入る野菜用などの大型プランターを用意しましょう。用土も「野菜用」と表示があるものならより簡単。ひと手間加えるなら、3割ほど完熟堆肥を混ぜると、水もち、肥料もちがよくなります。難しそうに思える肥料も、野菜用なら手間なしです。粒状肥料「マイガーデンベジフル」は、あらゆる野菜の元肥にも追肥にも使えるので便利です。
夏野菜の苗の選び方
すこやかに野菜を育てるためには、よりよい苗を選ぶことから始めましょう。入手するタイミングとよい苗の見極めが大切です。
野菜は成長が早いので、新鮮で病害虫がついていなく、つるなどが伸びすぎていない苗を選びましょう。トマトは最初の花が咲き始めている苗がベストです。また、トマトやナスは、おいしい実がつく品種を別の病害虫に強い品種の根に接いである「いいとこ取り」の接ぎ木苗があります。通常の苗よりやや高価ですが、それだけラクに健全に栽培でき、その結果、よりおいしい果実をどんどん収穫できます。
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- 「アブラムシ」
- 春はトマトやナスの新芽にアブラムシがつくことがあるので、植えつけの穴に、殺虫剤「オルトランDX粒剤」を散布します。
モモアカアブラムシ
(ナス)
コガネムシ幼虫
- 「うどんこ病」
- 昼夜の気温差が大きい時期は、うどんこ病が発生することがあります。オクラには殺虫殺菌剤「兼商モレスタン水和剤」、ナスには殺虫殺菌剤「ベニカグリーンVスプレー」を散布します。
うどんこ病(ナス)
葉かび病(トマト)
5月の大型連休は、まさに夏野菜の植えつけどきピークです。
用土や肥料の準備が整ったら、いよいよ苗の買い出しに園芸店へ出かけましょう。
「苗半作」と言いますが、育ててみたい品種の良い苗を入手したら、弱らないうちに早めに行動したいものです。
植えつけのポイント
入手した苗はできるだけすぐに植えつけると、その後の生長に悪影響を及ぼしません。準備は万端にしておきましょう。
用意しておいた大型プランターに底網がない場合は、排水孔に鉢底ネットを敷きます。適量の粒状肥料「マイガーデンベジフル」を混ぜた野菜用培養土を入れたら、移植ゴテなどで植え穴を掘って、ポットから取り出した野菜の苗を植えつけます。この時、苗の株元を土に埋めてしまわないように注意します。苗には、長さ30cmほどの仮支柱を斜めに立てて麻ひもなどで結んでおきます。底穴から流れ出てくるまでたっぷり水やりをして、植えつけ完成です。
必ず実をつけさせるコツ
トマトやナスは1番花がしっかり結実すると、あとは比較的ラクに実がつきます。実つきや成長を助ける便利アイテムも活用しましょう。
尻腐れ症
(トマト)
低温だったり昆虫が少ない高層階のベランダなどでは、トマトの実がうまくつかないことがあります。1番花の実をきちんと結実させるために、トマトには植物成長調整剤「日産トマトトーンスプレー」、ミニトマトやナスには「日産トマトトーン」を使用回数を守って使用すると確実です。また、この時期から肥料「トマトの尻腐れ予防スプレー」を定期的に散布すると、「カルシウム不足が原因の生理障害である尻腐れ症」の発生を予防できます。
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- 「ハモグリバエ」
- ナスの葉に不規則な線が現れたら、ハモグリバエが葉の中を食害しています。殺虫剤「ベニカベジフルスプレー」を散布して防除します。
ハモグリバエ
(ナス)
タバココナジラミ
(ナス)
- 「うどんこ病」
- 好天が続き、乾きやすい環境では、うどんこ病が発生しやすくなります。殺虫殺菌剤「ベニカマイルドスプレー」を散布します。食品を利用した薬剤なので、生育期間中、何回でも使用でき、収穫前日まで散布可能です。「ベニカマイルドスプレー」はコナジラミ類のほか、アブラムシ類、「ハダニ類」にも使用でき、うどんこ病と同時に防除することができるので便利です。
うどんこ病(オクラ)
植えつけから約1ヶ月が過ぎ、みなさんの夏野菜たちは、ぐんぐん元気に育っていることでしょう。
そろそろやってくる梅雨に備えて、お手入れにもちょっと気合を入れませんか?
支柱立て
トマトはぐんぐん草丈が伸びます。また、ナスやオクラの茎が折れてしまわないように、しっかりとした支柱を添えて育てましょう。
トマトは草丈が2m以上に伸びる野菜です。そしてナスやオクラはたわわに果実をつけると重くなり、強風などで茎が折れる心配があります。ぐんぐん生長し、植えつけ時に添えた短い仮支柱の高さを超す前に、それぞれに本支柱を立て替えましょう。トマトは2.4mほどの1本支柱に替えます。らせん状の支柱なら、寄り添うように茎が伸びるので、誘引が不要です。ナスは1.5mほどの支柱を3本をX型に立てます。オクラには70〜80cmほどの支柱を添えておくと安心です。
尻腐れ症(トマト)
なお、トマトには、葉面散布肥料「トマトの尻腐れ予防スプレー」の散布を定期的に続けましょう。「カルシウム不足が原因の生理障害である尻腐れ症」の発生を予防できます。
芽かき・摘心・下葉かき
トマトとナスはわき芽を摘み取る「芽かき」、オクラは収穫が始まったら、株の下方の葉を摘み取る作業が欠かせません。
トマトのわき芽
トマトは葉のつけ根からわき芽が伸びてくるので、見つけたらすべて摘み取ります。さらに、手を上に伸ばして届く位置で茎の先端を摘心すると、実つきが安定します。
ナスは、主枝の下2本のわき芽を伸ばし「3本仕立て」で育てるので、それより下から伸びるわき芽は摘み取ります。
オクラは、実がついて収穫が始まったら、収穫した節の1〜2節分だけ葉を残し、それより下についている葉は摘み取り、風通しをよくして育てます。
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- 「ハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウ」
- 夏が近づくと、ガの仲間の幼虫が発生します。これらは大食漢で、あっという間に被害が広がります。6月頃までにはハスモンヨトウの発生が増え、葉脈だけ残して葉が食べつくされるので油断ができません。殺虫剤「STゼンターリ顆粒水和剤」で防除しましょう。
ハスモンヨトウ
(ナス)