4.基本のタネまきと植え付け作業
4-2.タネのまき方
まき方はタネによりいろいろ
タネまきには、花壇や菜園など地面に直接まき、順次間引きしながら育てていく「直(じか)まき」と、育苗箱やポットなどの容器にまいて、芽が出たら小さな苗のうちに移植する方法があります。移植する手間がかかりますが、一般的に、容器にまいた方が容器を移動させて雨や風から幼苗を守ることができるので、苗が順調に育ち、苗の管理がしやすいです。
タネまきに向く用土
保水性と通気性を兼ね備えた、病気の心配のない清潔な用土を使うのが鉄則で、肥料は入れません。市販のタネまき用土は、タネまき用にブレンドされているので、そのまま使えて便利。
① 赤玉土小粒の単用(左)、赤玉土小粒と腐葉土の等量混合(中)、赤玉土小粒とバーミキュライトの等量混合(右)
② 市販のタネまき用土
*いずれも十分湿らせてから使う
タネまきの方法
点まき、ばらまき、すじまきがあり、タネの大きさでまき方が違ってきます。大粒のタネは、割り箸や指で一定の深さに穴をあけ、1粒ずつタネを落としていき、小粒のタネは、厚紙の上にタネをのせ、紙の裏や手首を軽くたたいて振動させながら少しずつタネを落とすと、初心者でも均一にまけます。
■いろいろなタネのまき方
・すじまき
中くらいの種子に向くまき方。細い支柱などで溝をつけ、この溝の底に等間隔にタネを落としていくので、間引きなどその後の管理が楽に行える。
・点まき
大きなタネに向くまき方。ペットボトルのふたや空き缶を利用して等間隔にくぼみをつけ、1か所に1粒か数粒ずつまく。数粒まいたときは発芽後に1株残してほかは間引く。
・ばらまき
小さいタネに向くまき方。用土の表面にタネをむらなくまく方法で、親指、人差し指、中指でタネをつまんでまいたり、厚紙にタネをのせてまく方法がある。
■移植を嫌う植物や大粒のタネのまき方
・プランターへの直まき(点まき)
① タネまき用土を平らにならし、割り箸で等間隔に深さ1~2㎝の穴をあける。
② 穴の中にタネを1粒ずつ落とす。
③ 周りの土を寄せて表面を軽く押さえて平らにならし、細かい目のジョウロでたっぷり水をやる。
・ポリポットにまく(フウセンカズラ)
① 3号ポットにタネまき用土を8分目ほど入れ、育苗箱に並べる。
② 用土に水をやって十分に湿らせておく。
③ 指の関節1つ分の深さに、穴を3つあける。
④ 穴に1粒ずつタネを入れる。
⑤ 指先で用土をつまむようにして穴を塞ぐ。
⑥ 静かに水をやる。
■小さなタネをまく
平鉢にまいて移植する(ばらまき)
① ペチュニアやポピーなどの好光性の細かい種子は、二つ折りにしたメモ用紙にのせ、裏を軽くたたいて振動させながら、均一に散らばるように少しずつタネを落とす。
② 土をかけずに、腰水にして発芽まで乾かさないように管理する。
覆土
タネをまいた後、土をかけることを覆土といい、ふつうタネの2~3倍の厚さに土をかけます。直径1~5㎜ほどの中~小粒のタネは、タネが隠れる程度にしますが、ふるいを使うと均一に覆土でき、発芽も揃います。微小なタネや好光性種子は全く覆土しないか、ごく薄くかけます。
① ふるいを使うと均一に覆土できる。
② 好光性種子は、乾燥を防ぐために土の表面を新聞紙で覆い、その上から水やりする。発芽したら直ちにとり除く。
水やり
大きめの容器や鉢受け皿に水をためて腰水で水を与えると、用土全体が十分に湿る。
置き場所
タネまき後、発芽するまで用土を乾かさないことがポイント。軒下やヨシズの陰など、雨が当たらない明るい日陰に置き、発芽して根がしっかり張るまで、腰水で底面から吸水させます。