9.病害虫の予防と対策
9-1.病害虫のチェックポイント
大事に育ててきた植物を病害虫から守るには、植物をよく観察し、こまめにチェックして早期発見すること。早期に発見すれば、被害の拡大も防げます。病害虫の種類も症状もさまざまですが、発見のためのチェックポイントは同じです。日ごろから葉の裏などもよく観察して、植物が出すサインを見逃さないようにしましょう。
サインを見つけたら、病気なのか害虫なのか、原因を調べます。病気と害虫では防除の方法が異なり、薬剤も違います。病気か害虫か、被害の原因がわかれば、それに対する適切な防除の対策が立てられるので、被害が最小限にとどめられるでしょう。
害虫のチェック
害虫は、体長が1㎜以下のものから数㎝のものまでさまざま。植物の茎や葉、花、実、根などをかじる「食害性害虫」と、葉や茎、実などから養分を吸汁する「吸汁性害虫」に大別されます。植物が丸坊主にされるまで気づかなかったりすることがないよう、こまめにチェックして、異常がないか早期に発見し、被害を最小限にとどめましょう。
葉裏や茎に小さなムシがついていないか?
→ 「アブラムシ」、「オンシツコナジラミ」など
葉や花にクモの糸のようなネットが張られていないか?
→ 「ハダニ」
葉に絵をかいたような白い線が出ていないか?
→ 「ミカンハモグリガ」、「ハモグリバエ」など
数枚の葉がつづられたり、巻かれていないか?
→ 「ハマキムシ」、「ツゲノメイガ」など
葉や花、実に白い光沢のある這ったあとがついていないか?
→ 「カタツムリ」、「ナメクジ」
枝や茎に貝殻のようなものがついていないか?
→ 「カイガラムシ」
葉や芽、花、実がかじられたり穴が開いていないか?
→ 「コガネムシ」、「シャクトリムシ」、「ナメクジ」、「カタツムリ」、ホコリダニ類、「ヨトウムシ」、「アオムシ」、「ハムシ」など
幹や枝に穴が開いていないか?
→ 「カミキリムシ」、「コウモリガ」など
病気のチェック
植物では一般に、伝染する病気を「病気」と呼び、カビや細菌、ウイルスなどに感染して発病する。発病すると生育が異常になり、ひどい場合は枯死する。病気に気付くのは、目に見える症状が出てからになるため、被害が拡大することもある。主に植物が弱ったときに発生するので、病原菌が好む条件を改善し、丈夫に育つように環境を整えることも大事。
花や葉にモザイク状のまだら模様がないか?
→ 「モザイク病」
葉や茎にうどん粉をまぶしたようなカビが生えていないか?
→ 「うどんこ病」
葉に黒いすすがついて汚れていないか?
→ 「すす病」
葉に角ばった黄斑が出ていないか?
→ 「べと病」
葉や花、実が腐ってカビが生えていないか?
→ 「灰色かび病」
地際の茎や根が溶けたように腐っていないか?
→ 「軟腐病」