メインコンテンツに
移動する

知っておきたい園芸情報 - 園芸知っトク情報三大香木・四大香木とは?金木犀・沈丁花・梔子・蝋梅の香りや特徴を紹介!

季節の移ろいを香りで知らせてくれる「三大香木」「四大香木」は、古くから多くの人に親しまれてきた香り豊かな花木です。日本の四季を彩る花木のなかでも三大香木・四大香木と呼ばれる植物は、美しい花と芳醇な香りで私たちの心を癒してくれます。

特に、秋に強い香りを放つキンモクセイ(金木犀)は、多くの人にとって懐かしさや季節の移ろいを感じさせる花木です。

本記事では、三大香木・四大香木と呼ばれる花木の由来や特徴、育て方に加え、そのほかにも香りの良い花木をご紹介します。ガーデニングや香りのある暮らしに興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

目次

三大香木としても有名な秋に甘い香りを放つ植物は?

秋を代表する香りといえば、やはりキンモクセイです。モクセイ科モクセイ属の常緑小高木で、中国原産の園芸植物として知られています。濃い緑の葉のなかに明るいオレンジ色の小さな花が集まって咲く、かわいらしい姿が魅力です。

日本では庭園や街路樹、公園などに広く植栽されています。日本で植えられているものは、雄株がほとんどのため実がなることはほぼありません。

開花時期は9月下旬から10月中旬頃の約1週間です。短期間で一斉に咲き、甘い香りを放って秋の訪れを知らせてくれます。香りは非常に甘く、フルーティーで華やか。香気成分には「リナロール」「ゲラニオール」が含まれており、昔懐かしい秋の香りとして多くの人に愛されています。

キンモクセイ(金木犀)の育て方

キンモクセイを元気に育てるには、日当たりの良い場所と水はけの良い土壌がポイントです。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたタイミングで水やりを行ないます。庭植えの場合、水やりは不要ですが、夏場の高温で極端に乾燥している季節には、土が乾いたら適宜水を与えましょう。

温暖な気候を好み、寒さにはやや弱いため、庭に植える場合は冬に寒風が直接当たらない場所を選びます。

夏に新芽が作られ、秋に開花する植物であるため、剪定は新梢が伸びる前の早春(2〜4月)に行ない、込み合った枝や上に伸びすぎた枝を切ります。

害虫としてはカイガラムシ、ハダニ、アザミウマなどが発生する可能性があり、病気では褐斑病や炭疽病、灰色かび病、うどんこ病などに注意が必要です。

害虫対策には「カイガラムシエアゾール」などを使用すると効果的で、約1ヵ月間効果が持続し、散布後に発生した害虫も退治できます。

1527

キンモクセイの詳しい情報は下記の記事も参考にしてください。

植物栽培ナビ キンモクセイの育て方

キンモクセイ(金木犀)以外の三大香木・四大香木

三大香木とは、キンモクセイを含め、ジンチョウゲ(沈丁花)、クチナシ(梔子)の3つを指します。三大香木は春のジンチョウゲ、夏のクチナシ、秋のキンモクセイとも呼ばれています。

四大香木は、これら3種類に冬を彩るロウバイ(蝋梅)を加えた4種類です。ここでは、キンモクセイ以外の3種類について、それぞれの特徴をご紹介します。

◇ジンチョウゲ(沈丁花)

ジンチョウゲ科の常緑低木で、中国原産。高さは1〜1.5メートル程度で、庭木や生垣、公園や学校の花壇にも多く植えられています。

冬の終わりから早春(2月下旬~3月中旬)に、濃厚でスパイシーかつ甘い香りの花を咲かせ、人々に春の訪れを告げます。小さな花が手毬のように集まったひと塊となって、枝先に咲くのが特徴です。

よく植えられているのは、外側が紅紫色で内側が純白の花を咲かせる「ウスイロジンチョウゲ」、白い花を咲かせる「シロバナジンチョウゲ」の2種類です。重みのある香りを漂わせるジンチョウゲの香気には「リナロール」や「シトロネロール」などの成分が含まれています。

【ジンチョウゲ(沈丁花)の育て方】
半日陰を好み、乾燥や過湿に弱いため、水やりは土の表面が乾いてから行ないます。庭植えならほぼ不要です。肥料は花が咲いたあとの3月頃・9月頃に与えます。移植を嫌うため、一度植えたらできるだけ同じ場所で育てましょう。

◇クチナシ(梔子)

アカネ科クチナシ属の常緑低木。東アジアに広く分布し、日本でも古くから親しまれてきました。樹高1~2メートルほどで、初夏(6~7月)に純白の花を咲かせる夏を象徴する花です。

クチナシには「一重咲き(普通種)」と「八重咲き(ヤエクチナシ)」があり、前者は果実をつけますが、後者には果実がつきません。

名前の由来は「口が開かない実=口無し」からきています。濃厚で甘いジャスミン調の芳香が特徴で、その香気成分は香水やお香、アロマにも使われる深みと華やかさを持っています。

植える際には、日当たりと水はけの良い場所を選ぶことが大切です。庭植えの場合、根付いたあとは基本的に水やりは必要ありません。鉢植えの場合は土が乾いたときに水をたっぷりと与えましょう。剪定は開花後すぐ、古い枝を間引くように行ないます。

クチナシの詳しい情報は下記の記事も参考にしてください。

植物栽培ナビ くちなしの育て方

◇ロウバイ(蝋梅)

ロウバイ科ロウバイ属の落葉低木。中国原産で、日本では江戸時代初期に渡来し、観賞用として広まりました。樹高は2~4メートルで、冬(12月下旬~2月)に半透明で蝋細工のような黄色の花が咲きます。名前の由来でもあるように「蝋のような梅の花」から「蝋梅」とされています。そのため、梅とはまったく関係がありません。

ロウバイは、落葉期に花が咲く珍しい冬咲きの花木です。その姿は寒い季節の庭や公園に彩りをもたらします。上品かつ甘く、スパイシーなニュアンスのある香りが特徴です。

寒さには強い蝋梅ですが、日当たりと水はけの良い場所を好みます。日光が十分に当たらないと花がきれいに咲かないこともあるため、日当たりの良い場所で育てましょう。

また、ロウバイは庭植えでも鉢植えでも、根付くまではしっかりと水やりをする必要があります。

ロウバイの詳しい情報は下記の記事も参考にしてください。

植物栽培ナビ ロウバイの育て方

三大香木・四大香木以外に香りが良い花木3選

香りの良い花木は、三大香木・四大香木以外にも数多く存在します。なかでも代表的な3種を紹介します。

◇バイカウツギ(梅花空木)

梅に似た花が咲き、茎が中空になっていることから「バイカウツギ(梅花空木)」と呼ばれています。初夏(5~7月)に、梅に似た花弁が4枚ある白い花を咲かせます。柑橘系に近いさわやかな甘い香りで、バラにも通じる芳香が特徴です。

日当たりと水はけの良い場所を好みますが、強い西日を嫌うため、西日が強く当たる場所は避けましょう。剪定は花が咲き終わったあとに行ないます。

水やりは庭植えなら基本的に不要ですが、夏の日照りが続く時期はしっかりと水を与えます。鉢植えの場合は土が乾いたらたっぷりと与えましょう。

◇ライラック(リラ)

落葉低木~小高木で、北海道などの寒冷地に多く見られる花木です。春に穂状の小花を咲かせ、白・赤・紫・青とさまざまな色味があります。

上品で落ち着いた印象の、甘くさわやかな香りを持ち、香気成分は香水やアロマにもよく利用されています。

ライラックの詳しい情報は下記の記事も参考にしてください。

植物栽培ナビ ライラックの育て方

◇フジ(藤)

日本的な風情を感じられる、落葉のつる性植物です。4~5月の春に、長く垂れ下がる穂状の小花を咲かせます。花の色は上品で落ち着いた印象の紫や、さわやかな白、可憐なピンクなどがあります。やわらかで控えめな、優しく甘い芳香が特徴です。

フジの詳しい情報は下記の記事も参考にしてください。

植物栽培ナビ フジの育て方

まとめ

四季ごとに異なる香りと美しい花を楽しませてくれる三大香木・四大香木。ほかにもバイカウツギ(梅花空木)やライラック、フジ(藤)など、香り豊かな花木が日本の日常を彩っています。

窓辺や庭にこれらの植物を取り入れ、季節ごとの香りを楽しむことで、より豊かな暮らしになるでしょう。

三大香木・四大香木とは?金木犀・沈丁花・梔子・蝋梅の香りや特徴を紹介!園芸知っトク情報のページです。
KINCHO園芸では、家庭園芸用殺虫剤・殺菌剤・除草剤・肥料のほか、くらしに関連するさまざまな商品を扱っています。

商品の使用に際しては必ず商品の説明をよく読んで、記載内容に従ってお使いください。

2025年7月1日をもちまして住友化学園芸株式会社は「KINCHO園芸株式会社」へ社名変更しました。一部、旧社名商品(画像・動画・音声)および旧社名での情報表記がございますが、順次変更してまいります。

その他のコンテンツ