カリ(K)がどのような働きをするのか、不足した時の症状(欠乏症)、過剰な時の症状(過剰症)について解説します。
植物体内での働き
カリ(K)は元素名としては「カリウム」ですが肥料では単に「カリ」と呼び、漢字では「加里」と書きます。カリは植物体の直接の構成成分ではなく、細胞液の中でカリウムイオンとして存在し、タンパク質や炭水化物の合成・移動・蓄積など植物体内の様々な化学反応を促進する補酵素として働いていると考えられています。また葉からの水分蒸散の調節などにも関わっており、根や茎を丈夫にし、病害虫や寒さに対する抵抗力をつけるのにも役立っています。通常、植物を栽培する場合は必ず肥料として必要になる「三大要素」のひとつです。
欠乏症
古い葉の先端から縁にかけて黄色くなり、やがて縁が枯れてきます。カリウムは植物体内で移動しやすい成分なので、古い葉から症状があらわれます。新芽は大きくならず葉の色が暗緑色になります。根の伸びも悪くなり、根腐れがおきやすくなります。果実は大きくならず、例えばトマトの黒すじ(維管束が黒くなる)など見栄えが悪くなるとともに、食味も低下します。






欠乏症対策
過剰症
通常の栽培ではカリウム過剰症は出にくいですが、極端な過剰ではカルシウムやマグネシウムの吸収が悪くなります。