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準備と植え付け|きんかん【地植え】の育て方

監修 宮崎大学農学部教授 國武 久登

きんかん【地植え】を育てるための準備と植えつけの方法をご紹介します。

きんかん【地植え】写真

 キンカンは、ミカン科キンカン属に分類される常緑性低木の果樹です。キンカンの仲間の一部には、江戸時代以前に中国から伝わったものもあり、固有種と間違えるぐらい日本になじみの深い種類となっています。元来、中国南部が起源であり、いくつかの野生種やそれらの雑種が存在し、現在でもその分類は不明瞭なまま残されています。たとえば、金豆(キンズ)と呼ばれ、古くから盆栽として親しまれてきたマメキンカンは、形態的には

準備

種類・品種選びのポイント

 販売されている種類は数品種しかなく、迷うことはありません。ニンポウキンカンやスイートシュガーが一般的な種類で、生食のほか、甘露煮やシロップ漬けなどに適しています。

 最近、タネなし品種(小さなタネが入る場合がある)の‘ぷちまる'がよく出回っているようです。タネが少ないので食べやすく、女性や子どもたちに人気の品種です。

 地方の植木市に行くと、大実キンカン、またはジャンボキンカンとして販売されている品種があります。これは、正式には「フクシュウキンカン」という種類で、果実は大きく鑑賞価値は高いのですが、果肉の酸味が強く、生食には向きません。生食にはニンポウキンカンなどの種類を選びましょう。

育て方のコツ

 キンカンは接ぎ木2年生の苗でも3年目にはたくさんの花が咲き、果実をつけます。また、前述したように年3~4回花が咲くので、果実は不ぞろいになります。果実は枝先に集まって着くので、形がよく、大きなものを残して、ほかは摘み取りましょう。鉢植えの3年生苗程度であれば、1枝に1~2個を目安に、1樹あたり10~15個をならせましょう。摘花や摘果をせず、たくさんの果実を着けさせると木が弱り、次年度に収穫できなくなります。果実の数を管理して、連年結実を目指しましょう。

植えつけ方

植えつけ

 キンカンの植えつけや植え替えは、暖かくなる3月下旬~5月上旬が適期です。キンカンは比較的寒さに強いので、暖地では秋植えもできますが、ほとんどの地域では春植えがよいでしょう。

 

 庭植えの場合は、日当たりと水はけがよく、風当たりが強くない場所を選びます。直径、深さとも50cm程度の穴を掘り、掘りあげた土、腐葉土、赤玉土(小粒)を5:3:2で配合した用土に、1株当たり200g程度の粒状肥料「マイガーデンベジフル」をよく混合し、穴の深さの1/2から2/3程度を埋め戻します。次に、苗木の根鉢を崩して根を広げ、苗を据えてからさらに先の用土を入れます。その際、接ぎ木部分が埋まらないように、浅植えにすることがポイントです。枯れ枝を除去し、先端を少々切り詰め、支柱を立てます。しっかりと水やりをしたらできあがりです。

監修:宮崎大学農学部教授 國武 久登

1963年、福岡県久留米市生まれ。佐賀大学農学部、千葉大学大学院自然科学研究科修了、学術博士(植物育種学)。佐賀県農業試験研究センター研究員、東海大学農学部助教授を経て、現在、宮崎大学農学部応用生物科学科教授(専門は、植物遺伝育種学、果樹園芸学)。宮崎大学大学院博士課程農学工学総合研究科教授、東海大学大学院非常勤講師を兼任。
カンキツやブルーベリーなどの果樹の品種改良や増殖に関して研究中。また、美味しい家庭果樹の栽培や普及も手がける。著書に、「新版・園芸相談 家庭果樹」、「育てて味わう!まるごとベリー」、「よくわかる栽培12ヶ月 ラズベリー、ブラックベリー」など多数あり。

きんかん【地植え】の育て方のページです。
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