草花、野菜、庭木や果樹など大切に育てている植物、生育旺盛で取っても取っても自然に生えてくる雑草、「植物」という点では両方とも同じです。雑草だけ枯らして、育てている植物は枯らさないという便利な除草剤はありません。
除草剤を選ぶポイントはいくつかありますが、第一のポイントは雑草が生えては困る場所か芝生などを育てている場所か。第二のポイントは防除したい雑草の種類(一年生、多年生の区別、及び広葉かイネ科の区別など)や生育状況(発芽前、草丈が低いか高いか)。第三のポイントは枯れる速度や雑草の発生を抑える期間(残効性)などです。他にも手軽にまきたいのか薬剤を希釈してまくのか、近くに草花や庭木などが植えてあるのかなどを考えて、目的と状況に合った除草剤を選びましょう。
使う場所から探す
空き地 多年生雑草や難防除雑草が多いため、管理を軽減するためにも粒剤の長期間持続型が向いています。
墓地 頻繁な管理がしにくいので長期間持続型が便利。近くに樹木があるなら樹木下にも使えるタイプを。
駐車場 庭の一部を駐車場にしているときは手軽に使えるシャワータイプやコケ対策の薬剤を。
芝生内の雑草 一年生雑草の発芽を抑制する、芝生の肥料入り粒剤や、広葉雑草を退治するシャワーが便利です。
家まわり 道路わきなどには手軽な液体タイプ、垣根の周辺には下草除草ができる粒剤が適しています。
庭まわり 草花や庭木に影響を与えないように、成分がすみやかに土壌分解されるシャワータイプを。
樹木の下 庭木類の下に生えた一年生雑草には、対応できる除草剤を選択して使用します。
コケが生えた場所 ゼニゴケにはダイロン微粒剤が有効(花壇や芝生以外)。藻類のイシクラゲにはオーソサイド水和剤80を。
散布したい場所は?
雑草が生えては困る空き地、駐車場、家回り、勝手口周辺など植物を植えない場所、庭木が植えてある場所、花・野菜や芝生を育てている場所に分けられます。
庭木下では地表面近くに根を張る一年草雑草対象のダイロン微粒剤、庭木の葉にかからないようにすれば草退治シャワーが使用できます。花壇や菜園にまく除草剤はなく手で抜きますが芝生には除草剤が使用できます。しかし、植えつけ間もない活着前の芝生は根が十分張っていないため使用しないでください。また、夏の高温時には芝生も弱っておりシバニードアップ粒剤は薬害が起きやすくなりますのでこの時期の使用は控えてください。
空き地などは「除草剤選びのポイント 空き地」を参照してください。
散布する・枯らしたい時期は?
粒剤、シャワー剤、スプレー剤などのようにそのまま手軽に散布する除草剤と水に希釈して散布する液剤などの除草剤があります。水の便が悪い場所では手軽にまける前者の製品が適しています。
茎葉から吸収される除草剤はすぐに作用するため散布2~3日後から雑草に兆候が現れ全体的に早く枯れます。根から吸収される除草剤は土質や土壌水分などの影響を受けやすく、吸収するまでに時間がかかるため雑草に兆候が現れるのに7~10日程度かかり、徐々に枯れてきます。茎葉散布剤は土壌に落ちると成分が分解されて除草効果がなくなるため残効性はありませんが、土壌散布剤は成分が土にとどまるため長期間残効性があります。中には早く枯れ、かつ長く雑草の発生を抑えるという両方の利点を兼ね備えた除草剤もあります。除草剤はそれぞれの特徴を理解し、枯らしたいタイミングや時期に合わせて選ぶようにします。