10月-4.秋の「みちくさ」は駆け足で(ガーデンシクラメン)

「ガーデニングコラム」目次一覧へ

秋はガーデンシクラメンが連れてきた

 8月も終わりに近づいたころ、つるバラの陰に置いていた鉢植えのシクラメンたちが目覚めました。9月に入るとキュッとまとまっていた株姿がふわっとほぐれ、中心部から花茎が1本、また1本と伸びてきて、秋の訪れを祝うかのように、久しぶりの顔を見せてくれたのです。
 とはいえ、これは夏越しした既存の株だからであって、まだまだ園芸店の店頭にはお目見えしていないだろうと思っていたのですが、その矢先、とある園芸店のブログで、さっそくガーデンシクラメン入荷のお知らせを発見。秋の訪れは、自他ともに、ガーデンシクラメンが連れてきたことになりました。
 続いてルクリア、秋咲きのエリカ、シャコバサボテン、ムラサキシキブなどの実物と、秋から楽しむ植物が次々と流通し、つい先日まで夏日だったことを忘れてしまいそうな勢いです。
 ところで、秋から長く楽しむ花といえば、パンジー&ビオラですが、人気の品目ゆえ、一時は9月の声とともに陳列されることもありました。しかし、近年は長引く暑さで苗が傷むことが考慮されて、10月に入ってから見かけるようになりました。なにぶん、毎年たくさんの新品種が登場する品目ですから、パンジー&ビオラのチェックには、いつもワクワクさせてもらっています。
 さて、みなさんは、今秋はどんな花、どんな品種を狙っています か?

秋の作業と少しだけ未来を思って

 では、花苗売り場から、秋植え野菜のコーナーへ移動してみましょう。
 秋のガーデニングシーズンは、春に比べてずっと短いもの。植えつけ適期をのがすと、寒さで植物は根を張ることができません。だから今をのがすと、栽培がうまくいかなくなるものさえ出てくるのです。
 夏にまき忘れた、もしくは暑さでうまく育たなかった、キャベツや白菜のポット苗は、迷わず購入したいもの。ベランダのプランターでも育ちやすい、ミニ白菜はおすすめです。
 タネまきから育てるなら、ぜひ東洋種のホウレンソウを。暑さに弱い東洋種の系統も、この時季なら大丈夫。株元の赤い部分が甘くて好きだという方も少なくありません。
 購入した苗やタネを持ち帰ったら、さっそく植えつけとタネまきの作業を済ませましょう。明日にしようかななんて心をよぎりますが、秋は待ってくれません。
 そして一息つくのにお茶をする前に、菜園をもう一度チェック。もしも菜園にツルムラサキやオカワカメが残っていたら、来春に備える作業もしておきましょう。ツルムラサキは花が実を結んでタネができていませんか? オカワカメは、葉のつけ根にムカゴができていませんか? これらを採取して来春のまきどきまで保管しておきます。これらはさし芽やつる伏せをしても苗ができますが、高温性なので、冬の間は暖かい場所で管理する必要があります。オカワカメのムカゴは、霜が強く降りない地域やプランターなら、すぐにまいておいても大丈夫です。
 実は、ツルムラサキとオカワカメの来春用苗づくりのことは、つい先日、友だちから相談を受けて、そういえば来春用の準備も今しなければと思い出したので、このコラムにもつけ加えました。「来年もぜひ育てたい」という未来への明確な情熱は、園芸ならではの魅力だなと、改めて感じたのです。

コラム|ウチダ トモコ
園芸ライター、グリーンアドバイザー、江戸東京野菜コンシェルジュ。
園芸雑誌、ライフスタイル誌などの編集、ライターを経て、現在は主にウェブで提案および取材執筆活動中。

eグリーンコミュニケーションは、家庭園芸に関する悩みの解決方法、ガーデニングライフを楽しんでいただくための植物の育て方、虫や病気や雑草に関する情報をお届けしています。
住友化学園芸では、家庭園芸用殺虫剤・殺菌剤・除草剤・肥料のほか、くらしに関連するさまざまな商品を扱っています。

contents