5月-1.バラの季節がやってきた!

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スタートはたまご色のバラで

 他のバラに先駆けて、関東地方以西の暖地では、一斉にたまご色のモッコウバラが咲き始めました。モッコウバラは中国原産の原種のバラで、おなじみの八重咲きの黄色い花がキモッコウ(黄木香)と呼ばれる最もポピュラーな種類です。とても丈夫でトゲもほとんどなく、扱いやすいのが人気の理由でしょう。
 バラというと「栽培が難しい」「トゲがイヤ」という方でも、モッコウバラなら手にとりやすいのではないでしょうか。春にしか咲かない一季咲きではありますが、サクラに続いて株を覆うように咲く花つきのよさは代え難く、春を謳歌するには恰好のバラだといえます。ただし、モッコウバラは寒さに弱い傾向にあるので、残念ながら寒冷地での栽培は難しいとされています。

 モッコウバラには、ほかに黄花より遅れて咲く八重咲きの白花、シロモッコウ(白木香)もあり、こちらには淡い香りがあるのが特徴です。ただし、黄花に比べるとやや花つきが少なく、若干トゲがあります。そのほか、黄花、白花ともに、一重咲きの品種もありますが、いずれもあまり出回りません。

メイド・イン・ジャパンのバラに注目

 「スベニール・ドゥ・ドクトル・ジャメイン」「デッシェス・ドゥ・モンテベロー」「フェリシエ・パルメンティエ」。この舌を噛みそうな単語を聞いて、すぐにバラの名前だと気づく人は、きっと相当バラが好きで詳しい方々でしょう。これらはバラのなかでも、1867年に現代バラ誕生のきっかけとなった‘ラ・フランス’という品種が登場する以前に作出の、オールドローズの名前です。

 また、近年ではイングリッシュローズやフレンチローズなど、ヨーロッパのブランドのバラが人気を博しました。このブームをきっかけにバラ好きになった方々も少なくないでしょう。
 現在バラの品種数は数万あるといわれており、ヨーロッパ諸国、アメリカでの育種はとても盛んで、イングリッシュローズやフレンチローズ以前から、たくさんの品種が日本へも導入されてきました。しかし、諸外国で育種されたバラは、寒冷地を除いて高温多湿気候の日本では病気に弱かったり、枝が伸びすぎるなどの側面もありました。
 ところが近年、日本のバラの育種家たちは、日本の気候に合った丈夫で育てやすく、なおかつ日本人好みの花色や株姿のバラを、こぞって育種の目標に挙げており、彼らの厳しい目線に適った品種が、毎年いくつもお目見えしています。「いおり」「わかな」「かおり かざり」など、シンプルで親しみのある和風の名前がつけられている品種もあります。このように、名前と花姿から力がかき立てられるのも、日本生まれのバラ「ジャパン・クール」の魅力のひとつかもしれません。

 バラの本格的シーズンの5月中旬には国内最大のバラのイベント『国際バラとガーデニングショウ』が関東で開催されます。おなじみのブランドのバラに加えて、日本の育種家たちが手塩にかけて世に出す、日本生まれの新品種にも注目してみませんか。日本の気候下でも元気に育って美しく咲くバラとの新しい出会いも期待できそうです。

バラの育て方
バラの育て方
コラム|ウチダ トモコ
園芸ライター、グリーンアドバイザー、江戸東京野菜コンシェルジュ。
園芸雑誌、ライフスタイル誌などの編集、ライターを経て、現在は主にウェブで提案および取材執筆活動中。

eグリーンコミュニケーションは、家庭園芸に関する悩みの解決方法、ガーデニングライフを楽しんでいただくための植物の育て方、虫や病気や雑草に関する情報をお届けしています。
住友化学園芸では、家庭園芸用殺虫剤・殺菌剤・除草剤・肥料のほか、くらしに関連するさまざまな商品を扱っています。

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