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タネまきと植え付け作業の基礎知識をご紹介します。このページではきれいな芝庭をつくるコツについてご紹介しています。

4.基本のタネまきと植え付け作業

4-12.きれいな芝庭をつくるコツ

和洋どちらの庭にも合うグラウンドカバーの代表格が芝生です。日当たりと水はけのよい場所であれば、緑のじゅうたんのような芝庭がつくれます。
芝には、暖地型の日本芝と寒地型の西洋芝の2つのタイプがあります。美しい芝生に育てるには、まず地域の気候に合った種類を選ぶことが重要です。
「寒地型シバ」は寒さに強く、冬も緑を保ちますが、夏の高温多湿や病気に弱いため、栽培適地は北海道や東北などの寒冷地に限られます。タネをまいて芝庭をつくります。関東地方以西では、冬には地上部が枯れてしまいますが、夏の暑さや乾燥に強い「暖地型シバ」が適しています。ソッドと呼ばれる「切りシバ」を敷き詰めて芝庭をつくります。

日本芝と西洋芝

コウライシバ(暖地型)の庭


コウライシバ(暖地型)の庭

家庭の庭で、最もふつうに使われているのは性質が強いコウライシバ。日本原産なので我が国の気候にも合い、育てやすく、緻密で美しい芝生に仕上がる。


ノシバ(暖地型)


ノシバ(暖地型)

ベントグラス類(寒地型)


ベントグラス類(寒地型)

日本原産で、暖地型シバの中では最も寒さに強く、北海道南部まで栽培が可能。踏まれても丈夫で、切りシバや発芽促進処理をした種子が流通する。

芝の苗(ソッド)


芝の苗(ソッド)

切りシバと呼ばれるシバ苗は、通常約28cm×36cmにカットされたものが10枚1束(約1㎡分)になって春先に出回る。新しいことが絶対条件で、乾いて枯れておらず、束の間が蒸れていないものを選ぶのがポイント。


よいシバ苗(左)と悪いシバ苗(右)


よいシバ苗(左)と悪いシバ苗(右)

シバの張り方

短期間で緑いっぱいの芝生にしたいときは、「平(ベタ)張り」にすると、張ったその日から完成した芝生の状態になるが、ソッドを大量に必要とするのでコストがかかるのが欠点。一般の家庭で行う場合は、ソッドとソッドの間を3cmくらいあけて張る「目地張り」が適しています。


目地張り


目地張り

ソッドとソッドの間を3~4cmあけて隙間を土で埋めていく方法


平張り


平張り

ソッドを隙間なく並べる方法で、早く仕上がり、雑草が出にくいのが長所。目地を取らないので多くの材料が必要になる。


市松張り


市松張り

ソッドを縦横とも1枚おきに並べて市松模様に張る方法。材量は平張りの半分ですむが、完成まで2~3年かかり、雑草がでやすい。


条張り


条張り

間隔をあけてソッドをすじ状に1列にストライプの模様になるように並べる方法。平張りより費用は安いが、完成までに3年くらいかかる。


シバ張りのポイント

植えつけ適期は3~4月。日陰や多湿、養分が少ないと枯れたり、生育不良になるので、日が当たる場所と水はけがよい土が必須条件。植え付け後はたっぷりと水を与え、ソッドと土をよく密着させます。


シバ張りの手順(目地張り)


① 根がよく張れるように、ショベルを肩まで入れて20~30㎝ほど掘り起こし、よく耕す。

① 根がよく張れるように、ショベルを肩まで入れて20~30㎝ほど掘り起こし、よく耕す。

② レーキで土の塊を砕きながら、小石や雑草をとり、平らにならす。


② レーキで土の塊を砕きながら、小石や雑草をとり、平らにならす。

③ さらにトンボでならしながら、水はけがよくなるように表面にゆるやかな傾斜をつける。


③ さらにトンボでならしながら、水はけがよくなるように表面にゆるやかな傾斜をつける。

④ 3~4cmの間隔をとり、ソッドを端から並べていく。板切れを使うと目地の幅が揃う。


④ 3~4cmの間隔をとり、ソッドを端から並べていく。板切れを使うと目地の幅が揃う。

⑤ 敷き終わりの部分は、隙間にあわせてソッドをハサミで切る。


⑤ 敷き終わりの部分は、隙間にあわせてソッドをハサミで切る。

⑥ 隙間を埋める。


⑥ 隙間を埋める。

⑦ ソッドを並べ終わったら、シバの苗と用土が密着するように踏む。板の上に乗って行うと凹凸ができにくい。


⑦ ソッドを並べ終わったら、シバの苗と用土が密着するように踏む。板の上に乗って行うと凹凸ができにくい。

⑧ 目地に目土を詰め込むようにしっかり入れていく。


⑧ 目地に目土を詰め込むようにしっかり入れていく。

⑨ ホウキで掃きながら目土が葉と葉の間に入るように均等にならす。


⑨ ホウキで掃きながら目土が葉と葉の間に入るように均等にならす。

⑩ シバと土がなじむように、目の細かいノズルをつけたホースで苗の裏までしみこむまで十分に水をやる。


⑩ シバと土がなじむように、目の細かいノズルをつけたホースで苗の裏までしみこむまで十分に水をやる。

⑪ シバ張りの作業が完了。


⑪ シバ張りの作業が完了。

芝生を美しく保つコツ

青々とした美しい芝生は、定期的なメンテナンスによって生まれます。適期に「更新作業」を行い、芝生を若返らせましょう。


芝刈り


芝刈り
芝刈り

生育期間中の4~10月は月2~3回、3~4cmの高さに刈り込む。あまり低く刈り込むとシバが弱り、雑草が生えやすいので注意し、どの方向から見ても均一の高さになるように刈る。小型の電動・リール式の芝刈り機、手動の芝生バサミなどがある。(2-3.植物を切る道具参照)


ローンスパイク


ローンスパイク

根が混み合って通気性や水はけが悪くなるので、芝生の全面に小さな穴をあけて土の中に空気を入れる穴あけ機。10㎝ほどの間隔で差し込むとよい。


除草


除草

雑草によって芝生が傷められるので、見つけたら根ごと抜き取る。芝生を張った最初の1年間は特にこまめに取り除く。根絶の難しい雑草には、芝生専用の除草剤を利用するとよい。


施肥と目土
暖地型シバは4、6、8月の各月に市販の専用肥料(粒状化成肥料)を1㎡当たり40~50gシバの上に均等にまく。西洋シバは3~6月、9~12月に施す。



目土は芽の出る前に5㎜程度の厚さになるようにまき、トンボで全体に平らにならす。1~2年に1回行うと、表面の凸凹をなくし生育もよくなる。



花の美しいカバープランツ

芝生のように敷き詰めて楽しむ草花をグラウンドカバープランツといいますが、花の美しいものもたくさんあります。草丈があまり高くならず、乾燥や踏みつけにも強い、毎年生育を続ける宿根草などが適します。それぞれの性質を知ったうえで、利用の仕方や管理のポイントを押さえておきましょう。


シバザクラ


シバザクラ

日当たり向き。ピンクや白の小花が地面を覆う。被覆は早い。


宿根バーベナ


宿根バーベナ

日当たり向き。花色が豊富。被覆力が強いが、蒸れに弱いので、切り戻しが必要。


リッピア


リッピア

日当たり向き。茎が這うように伸びて広がる。密に茂り、多少踏まれても丈夫で、初夏に白やピンクの小さな花が咲く。


メキシコマンネングサ


メキシコマンネングサ

日当たり向き。黄緑色の茎葉が密生して地面を覆うように広がる。小型で特に乾燥に強く、被覆は早い。


クリーピングタイム


クリーピングタイム

日当たり向き。草丈が低く、細かな葉が地を這うように広がり、春から夏にかけてピンクの花を咲かせる。花が美しく、葉によい香りがある。被覆は早い。


アジュガ・レプタンス


アジュガ・レプタンス

半日陰向き。匍匐茎を伸ばして地表に広がる。青紫色の花が塔のように咲き、黒紫色の葉色によく映える。


リシマキア・ヌンムラリア


リシマキア・ヌンムラリア

半日陰向き。草丈が低く黄色の葉がよく広がり、鮮黄色の花もきれい。


ツルニチニチソウ


ツルニチニチソウ

半日陰向き。つる性で光沢のある葉が密につき、淡紫色の花が咲く。白や黄色の斑が入る斑入り葉もある。


ラミウム類


ラミウム類

半日陰から日当たり向き。横に這って広がり、ピンクや白、黄色の花を開く。生育は旺盛だが、夏の暑さにやや弱く蒸れに注意。


ハナニラ


ハナニラ

半日陰から日当たり向き。球根植物で丈夫。夏に地上部が枯れるが、星形の花が美しい。


ヒメツルソバ


ヒメツルソバ

半日陰から日当たり向き。つるを伸ばして広がり、秋に花が一面に咲く。

きれいな芝庭をつくるコツについてご紹介しています。
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