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整枝・剪定のテクニック:樹形を整えるをご紹介します。このページでは花芽を残す花木の剪定についてご紹介しています。

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7.整枝・剪定のテクニック:樹形を整える

7-5.花芽を残す花木の剪定

ふつう、十分に日の当たる場所に植えてある花木は成木になると花を咲かせます。
成木になっても花が咲かない要因に、剪定によって花芽を落としていることが考えられます。花芽がつくられる時期、どの枝のどこに花芽がつくか、どのようにして花が咲くのかなどを知ったうえで剪定しなければなりません。花芽分化期や開花習性を知らないで、安易に剪定するとせっかくの花芽を切り落とすことにもなりかねません。十分な注意が必要です。

花芽のつき方は6通り

花芽がつくられると(花芽分化)、やがてつぼみになり、花が咲きます。花芽ができる時期やつく位置、開花までの順序などは樹種によって大体決まっていて、大きく6つのタイプに分かれます。

頂芽が花芽になり、年内に開花する

今年伸びた枝(新梢)の先にできる芽(頂芽)が花芽になり、年内に開花するタイプ。このタイプは枝先に花芽があるので、枝先を切り詰めると花芽を落とすことになります。晩秋~翌年の3月にかけてが剪定の適期ですが、多少遅れても花は咲きます。

このタイプの樹種 

キンシバイ、ビヨウヤナギ、ヒペリカム‘ヒドコート’、キョウチクトウ、ブッドレアなど

花芽のできる位置

花芽のできる位置

ヒペリカム‘ヒドコート’

ヒペリカム‘ヒドコート’

枯れ枝を切り取るくらいで十分だが、小さくしたいときは落葉期に株元から20㎝のところで刈り込む。花が咲かなくなるので、新梢は切らない

頂芽が花芽になり、翌年に開花する

元気のよい今年伸びた枝(新梢)の先にできる芽(頂芽)が花芽になり、翌年に開花するタイプ。このタイプは、花芽がつくられてから枝先を刈り込むと翌年花が咲かなくなるので、花後すぐ剪定し、残した芽から元気のよい枝を出させるようにします。

このタイプの樹種

モクレン、シャクナゲ、ジンチョウゲ、ツツジ類、ハナミズキ、ツバキ、サザンカ、ライラックなど

花芽のできる位置

花芽のできる位置

1)ツバキ

ツバキ

花後~春は、花芽はどこにもないので、どこで切ってもよい。
夏~秋は花芽のある枝は切り詰めない。

秋の剪定

秋の剪定

10月~開花前に樹冠から飛び出た枝を軽く切り、面をきれいにする。

2)ヒラドツツジ

ヒラドツツジ

花後の剪定

花後の剪定

常緑性のツツジは、花が終わったらすぐに刈り込むと翌年もよく花が咲く。剪定が遅いとその年は花芽がつかないので、翌年花が見られない。遅くても6月中旬までには終わらせたい。

3)ホンキリシマの整枝

ホンキリシマの整枝

自然樹形を楽しむときは、花後、1本ずつ枝ごとに刈り込む程度に整枝する。

側芽が花芽になり年内に開花する

新梢にできる側芽(枝の途中のわき芽)が花芽になって、その年に花が咲くタイプ。このタイプのキンモクセイは、今年伸びた枝に花芽をつけますが、2年枝にもついているのが特徴。つる性のテイカカズラなどは、どこで切っても芽を出すので、小さく仕立てられます。ただし、小さくするほど花つきが悪くなります。

花芽のできる位置

花芽のできる位置

このタイプの樹種

キンモクセイ、ヒイラギ、ヒイラギモクセイ、ムラサキシキブ、コムラサキ、テイカカズラ、ハツユキカズラなど

キンモクセイ

キンモクセイ

コムラサキ

コムラサキ
コムラサキ

剪定

花後から春までの間は花芽がないのでいつでも剪定できるが、耐寒性がやや弱いので寒冷地では芽吹き時の春に剪定する。

剪定

秋の刈り込み

秋の刈り込み

秋はなるべく浅く刈り込む

側芽が花芽になり翌年に開花する

新梢にできる側芽が花芽になって、翌年に開花するタイプ。枝にびっしりとつぼみがつき、花数が多いので、基部から切らない限り、枝の途中で切っても花が咲かないということはありません。花が終わった直後に強く切り戻しますが、葉芽の位置を見定めてから切るのがコツ。多くは長く伸びた枝よりも、短い枝の葉腋によく花芽がつくので、1/3~1/2残して切り詰めておくと、ここから短い枝が発生して、翌年、花芽をつけます。落葉樹は冬の落葉期が適期です。

このタイプの樹種

ウメ、ハナモモ、ハナズオウ、ロウバイ、サンシュユ、ボケ、ユキヤナギ、コデマリ、レンギョウ、ヤマブキ、ニワウメなど

花芽のできる位置

花芽のできる位置

レンギョウ

レンギョウ

ウメ‘筑紫紅’

ウメ‘筑紫紅’

花芽をつけさせる剪定

花芽をつけさせる剪定

勢いのある長い枝には花芽がつきにくいので、花後、なるべく早く新芽が出る前に行う。1/2くらい切り詰め、短枝をつけるように整枝する。

コンテナ植えの花後の切り戻し

コンテナ植えの花後の切り戻し

コンテナ植えの剪定は花後が適期。長い枝は、葉芽のあるところを確かめて、2~3芽残して切り戻す。切るときは芽の5㎜ほど上で切る。

冬の剪定

冬の剪定

冬は枝に花芽を持っているので、枯れ枝や樹形を乱す枝を切り、込みすぎた枝を間引く、徒長枝の整理をする程度で、樹形を整えることに主眼を置く。活動を始める時期が2月と早いので、剪定はその前に済ませておく。

頂芽と側芽が花芽になり、年内に開花する

新梢にできる頂芽と側芽が花芽になって、年内に花が咲くタイプ。このタイプはどの部分から伸び出た枝でも充実した勢いある新梢なら、先端や葉腋に花芽をつけ、冬が来るまでに開花します。冬に花芽がないので、落葉期に仕立てたい形や大きさに合わせて剪定できます。新梢が伸びてから切らなければ花芽を落とすことはありません。

このタイプの樹種

フヨウ、ムクゲ、ハギ、サルスベリ、アベリア、ノウゼンカズラ、ハイビスカス、株立ち性バラなど

花芽のできる位置

花芽のできる位置

ムクゲ

ムクゲ

ハギ

ハギ

ハギ(庭植え)、花後の剪定

ハギ(庭植え)、花後の剪定
ハギ(庭植え)、花後の剪定

花が終わった枝を放任すると丈が高くなり、弱い枝がたくさん出るため、冬に株元を10㎝ほど残して切る。

ハギ(鉢植え)の剪定

ハギ(鉢植え)の剪定

コンテナ植えは、新梢剪定を行わないと鉢とのバランスが悪くなるので、初夏に剪定して枝の伸びすぎを抑える。ただし、夏遅くなって短くすると花が見られない。遅くても6月末までに済ませる。

頂芽と側芽が花芽になり、翌年に開花する

新梢にできる頂芽と先端に近い側芽が花芽になって、冬の寒さにさらされて花を咲かせるタイプ。このタイプの多くは、夏から秋にかけて花芽ができるので、冬に剪定したり枝先を刈り込んだりすると、翌年花が咲きません。しかし、冬は花芽が目で見て確認できるので、花芽のついていない枝の整理ができます。樹形をコンパクトに維持したいときは、花後に新梢を短く切り詰めるとよいでしょう。

このタイプの樹種

アジサイ、フジ、ボタン、ベニバナトチノキ、ザクロ、ブラシノキなど

花芽のできる位置

花芽のできる位置

アジサイ

アジサイ

咲き終わった花

咲き終わった花

周りの装飾花が反り返り、裏側が見えるようになったら花が終わりなので、すぐに剪定する。

アジサイの剪定

花が咲いた枝は、花から2、3節下の芽の上で切る。

花が咲いた茎のうち古くなった茎は株元から切り、新しい茎と交代させる。

枝の切り方

枝の切り方

節に芽があれば、花芽でも葉芽でも新梢が伸びるので、節の途中ならどこで切ってもよい。

アジサイの仕立て直し

アジサイの仕立て直し

小さくする場合は株全体を小さくする。6月中旬~7月上旬に下から1、2節残して切る。花は翌々年から咲く。

花芽を残す花木の剪定についてご紹介しています。
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