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カキ

カキの実が落ちる・一年おきにしか実がならない原因として、どのようなことが考えられるか記載しています。また、どのように対策したら良いか解説しています。

実が落ちる

受粉が不十分であることが原因!

 カキは、開花が終わって、幼果が発育している6月中旬から7月中旬にかけて果実がヘタごと落ちる生理落果があらわれます。

 カキは単為結果性がありますが、品種によりその程度は大きく異なります。また、受粉した場合の種子の入りやすさを種子形成力といい、これも品種によって異なり、受粉すれば容易に種子の入る品種と、たとえ受粉しても種子の入りにくい品種があります。

 たとえば、「平核無」は単為結果力は強いのですが、種子形成力が弱いため、受粉せずとも実が着き、しかも種子はほとんどできません。逆に「富有」は単為結果力は弱く種子形成力が強いので、受粉することで実が着かき、また受粉すれば種子が入りやすい性質があります。

 カキは雌花しかつけない品種が多いので、雄花と雌花の両方をつける品種(西村早生、禅寺丸、筆柿など)を富有や伊豆など受粉を必要とする品種の近くに植えるか、それらの花粉を使って人工授粉をおこないます。

過着果(実のなりすぎ)、日照不足、肥料の過不足が原因!

 落果の原因としては受粉が不十分な場合が多いのですが、実のなりすぎ、日照不足、肥料の過不足によっても落果は助長されます。実がなりすぎた場合は、摘蕾と摘果をおこないます。肥料の場合は特に窒素肥料の与えすぎに注意します。日照不足は、なるべく日当たり(特に樹冠内に日光が入るように)を確保できるように、剪定時に気をつけます。

病害虫が原因!

 8月上旬から10月上旬に、果実がヘタを枝に残したまま落果することがあります。これはカキミガによる被害です。9月下旬から10月上旬にかけて、果実に黒い斑点ができて、その周りが赤くなると落果するのは「炭そ病」です。
 「カキノヘタムシガ」の場合は年2回発生しますので、1回目の幼虫に対する防除は6月上旬・下旬に2回、2回目の幼虫の防除は8月上旬と下旬に2回、それぞれ殺虫剤を散布します。「炭そ病」の場合は、6月中下旬に殺菌剤を散布します。

一年おきしか実がならない

貯蔵養分の不足(隔年結果)が原因!

 カキはカンキツ類と同じように隔年結果の性質をもつ品種が多いです。

 カキの花芽分化は7月から8月にかけて起こりますが、この時期は生理落果の終わった直後で、実の着きの多い年には樹が養分を消耗しきった時期に当たるため、花芽の分化のための養分が不足がちになり、翌年は不成り年になりやすいのです。それでなくてもカキのように開花から成熟までの期間が長く、大きな実を着けるものは、実を必要以上に着けると養分を使い果たしてしまいます。つまり貯蔵養分を果実にとられて枝は充実せず、花芽ができにくくなります。したがって成り年の翌年は花があまり咲かず実が少なくなります。すると今度は枝が充実し花芽が多くでき、その翌年は成り年となります。

 安定した収量を得るためには、まず成り年に実をつけすぎないように摘蕾と摘花をおこなうのが一番効果があります。また樹体養分の消耗を防ぐには早めに実の数を制限する摘蕾・摘花がより効果があります。

 摘蕾・摘花では5月に雌花の蕾を取り、結果枝1本に3~4個ついている蕾を1~2個にします。摘果は6月下旬から7月上旬の生理落果終了を待っておこないます。結果枝1本あたりに1果を残すようにします。鉢植えでは特に隔年結果が起きやすく、2鉢用意して交互に1年おきに実を着けるのもよいでしょう。

 また、花芽のできをよくするには、萌芽と同時に新梢がどんどんのびることも大切で、そのためには摘蕾・摘花はもちろん、肥料、水やり、風通し、日当たり、剪定の強さなども大切です。 冬季剪定で枝先を切り詰める剪定を全面におこなうと、柿の場合ほとんど実が着かなくなります。そうかといって、枝先をまったく切らずに放任しておくと実が成りすぎてしまい、翌年はまったく実がならなくなってしまいます。

 また、鉢植えの場合は特に生育期間を通じて土が過湿にならないように水やりには注意が必要です。

カキの実がならない原因について解説します。
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