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栽培管理|モチノキの育て方
監修 園芸研究家 倉重祐二
モチノキの栽培管理と収穫の方法について紹介します。
モチノキ(黐木)の名は、鳥黐(とりもち)の原料を取ったことに由来します。樹皮を水につけて腐らせて、搗(つ)いてから水にさらして、鳥黐をつくります。材は白く、緻密で堅いため、櫛や印材としても利用されます。 花は小さく目立ちませんが、秋に熟す赤い果実が美しいことから、庭園樹として広く栽培されます。雌雄異株であるため、雌木にしか実がなりません。 モチノキの仲間(モチノキ科モチノキ属)は、世
管理
水やり
特に必要ありませんが、極端に乾きすぎる夏の高温期には、朝か夕方にたっぷりと水やりをします。
肥料
2〜3月に寒肥として、粒状肥料「マイガーデン植物全般用」や「マイガーデン花・野菜用」を1㎡当たり150g、あるいは油かすを施します。
剪定
大きくなるにしたがって樹形が整うので、自然樹形で楽しむ場合は、伸びすぎた枝を切る程度に止めるとよいでしょう。
強い剪定にも耐えるので、好みの樹形に仕立てることもできます。剪定の適期は、開花後の6〜7月です。遅い時期の剪定は、花と実がつかなくなる原因になります。樹形が乱れた場合は、12月にもう一回剪定を行ないます。極端に樹形が乱れたり、仕立て直しをする場合は、寒さがゆるんで成長を始める前の3月に行ないますが、このとき強く刈り込むと、数年間は実つきが悪くなります。「枝の切り方」のイラストを参考にしてください。
ふやし方
さし木でふやすことができます。6〜8月、その年に伸びた枝に葉を2〜3枚つけて長さ10cmほどで切り、30分ほど水揚げをし、植物成長調整剤「ルートン」を切り口にまぶしたあと、箱や平鉢に入れた赤玉土小粒、鹿沼土、さし木用用土などにさします。ただし、発根率はあまりよくありません。
タネまきでふやす場合は、10〜11月に赤く熟した果実を採取し、果肉をきれいに洗い落として、赤玉土小粒などにまきます。発芽には2〜3年かかることがありますが、戸外で乾かしすぎないように管理しましょう。本葉が2〜3枚出たら鉢上げします。
収穫
園芸研究家。千葉大学大学院園芸学研究科修了。赤城自然園(群馬県)を経て、現在は新潟県立植物園に勤務する。日本植物園協会 植物多様性保全委員、新潟県野生生物保護対策委員、魚沼市自然環境保全調査委員会副委員、NHK趣味の園芸講師などをつとめ、園芸の普及に幅広く活躍する。専門はツツジ属の栽培保全や系統進化、花卉園芸文化史。
「日本の植物園における生物多様性保全」(日本植物園協会)、「よくわかる栽培12か月 シャクナゲ」(NHK出版)、「原色日本産ツツジ・シャクナゲ大図譜」(誠文堂新光社)等、論文や執筆も数多くある。
モチノキの育て方のページです。
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