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6月-2.夏を迎える前だから

 緊急事態宣言が解除されて、街にはどっと人が溢れかえると思いきや、当地あたりではあまり変化がないようです。それでも帰路を急ぐ商店街では早仕舞いでシャッターを下ろす店も消え、元の通り、宵の口の灯りが賑わいを照らすようになりました。しかしながら、感染症の危険性が終焉したわけではありません。翌日の「みちくさ」では、人ごみを避ける意味でも、街なかとは反対の方角に足を進ませることに。

梅雨の晴れ間の菜園で

 しばらく遠出をしていなかったので、久しぶりの本格的な「みちくさ」。市民農園や農家の畑も、すでに緑濃く見えました。自粛が求められた5月の大型連休に、家にいながら楽しめることとして家庭菜園が選ばれ、園芸店やホームセンターは野菜苗を求める人たちで賑わいました。それから一カ月。植えられた夏野菜たちは、不安な世の中の動きをよそに、例年通りすくすくと育っています。背が高いからひときわ目立つトウモロコシは、すでに空に向かって花を咲かせていました。

 このコラムを書いている6月初旬、まだ関東地方は梅雨入りしていないのですが、ここしばらくめっきり梅雨のような天候が続いています。雨の季節に心配なのが、果菜類の受粉です。花が傷んだり、受粉を助ける昆虫の飛来が少なければ、果菜類の収穫量に影響してしまいます。
 また、早めに植えつけたトマトやナス、キュウリは、すでに幼果をつけていて、このタイミングでの追肥は重要です。加えて、雨で急激に水分を吸収した果実は割れてしまうこともあります。トマトを中心に、できれば雨よけをしつらえて、実割れを防止しましょう。コンテナ植えなら軒下に移動させるだけですが、菜園の場合は組み合わせた支柱とビニールシートで雨よけをこしらえてください。
 大型連休中に植えつけた苗の育ちが、いまいち芳しくなかったり、すでにしおれてしまっているという人も。幸いにもまだ園芸店では果菜類の苗が並んでいますから、早めに苗の差し替えを。植え替えは、できるだけ土が乾いている晴れの日に行いたいもの。そして今から果菜類を植えつける場合は、堆肥や腐葉土を入れて菜園の水はけをよくしてから植えましょう。雨のときに菜園の地表を観察して、水たまりができるような場所は改善するとよいでしょう。また、過湿を嫌うトマトなどは、少し盛り土をして高めに植えるのも効果的です。
 さて梅雨入り前にして心配するのも気が早いかもしれませんが、局地的な豪雨を懸念するとともに、今年は梅雨がダラダラと長引いて、日照不足にならなければいいなと願いながら、帰路につきます。

花後のバラとクレマチス

 帰り道も、静かな住宅地の道を選びながらのんびりと。つい先週まで、あるお宅の壁面を一面に飾っていたバラの花は、影も形もありません。近寄ってみればすでにきれいに剪定されて、節からは新芽が伸びつつありました。一季咲きの品種なら、来春に向けて、この新芽を大切に育てなければいけません。
 そしてこちらも追肥の季節。四季咲きであれば、二番花をしっかり咲かせたい。雨と曇天による日照不足で株のエネルギー消耗をフォローするために、活力剤を併用するのも忘れずに。

 ところで今週末はもう夏至。今なら長い夕方を味方に、帰宅してからも作業ができます。二番花待ちのバラに気持ちを寄せるなら、そのお供のクレマチスも気になるところ。そういえば拙宅の四季咲きクレマチスも、一番花が終わりかけていることを思い出しました。帰宅したら休憩のお茶をする前に、そのまま庭に直行して、クレマチスを盛大に切り戻してしまおう。残り花は迷わず、切り花にして小さく飾ってみよう。昨日帰り道に摘んだドクダミの花瓶に投げ入れれば、きっとお似合いのはず。

花後のバラとクレマチス
コラム|ウチダ トモコ
園芸ライター、グリーンアドバイザー、江戸東京野菜コンシェルジュ。
園芸雑誌、ライフスタイル誌などの編集、ライターを経て、現在は主にウェブで提案および取材執筆活動中。

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