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季節を撮る~花以外の美しさを発見しよう

「季節」を撮るというのは、花の時期だけではなく、その植物の四季折々の移ろいを撮るということです。
花が咲くのが待ちきれずに、かわいい蕾に思わずカメラを向けてみたり、花が終わってもそのまま残しておいた株が、秋には思いがけず艶やかな草姿を見せてくれたり。毎日の庭仕事の最中には、花に限らず写真に残したい美しい光景をたくさん目にします。それらは、みなさんにしか見ることができない植物たちの懸命な営みです。ガーデニングと同じように、植物たちのそんな新しい魅力を発見することこそ、写真の楽しみなのかもしれません。
ということで、今回の撮影例は、すべて開花期以外の植物の写真にしました。クイズ形式になっていますので、何の植物か当ててみてください。
(答えは最後にあります)

芽出しから枯れゆく姿まで ~撮影対象は無限大

植物の名前は、花の色や形から付けられるものばかりではありません。早春に咲くこの植物も、花はユニークな形でとても目立つのですが、昔の人は花の後にできるこの綿毛の様子から名前をつけました。このように、花以外の葉や実の形や生態から名づけられた植物はたくさんあり、昔の人が、いかに植物たちと身近だったかがうかがえます。雨の日にはたくさんの水滴をちりばめ、神秘的な表情を見せてくれます。

桜を代表にして、身近な植物でも花や実が終わるとあまり気にとめられなくなります。でも、そのまま大切に育てると、秋の終わりには艶やかな草姿に変身するものも多いのです。キッチンガーデンでおなじみのこの2つの植物も、きれいな紅(黄)葉で庭を秋色に染めてくれます。

基本テクニック

花の写真は、背景がごちゃごちゃしていても花とわかりますが、花以外の時期はあまり目立たないため、周囲の風景と紛れがちです。おもしろい光景を見つけたら、マクロ機能を使ってクローズアップするだけでなく、撮りたいものがはっきりわかるように、背景をすっきり見せることが必要です。
最近は、コンパクトカメラでも背景をボカす機能のある機種が出てきましたが、専用レンズに変えられる一眼レフカメラなら、より多彩な表現ができます。

1. 植物の営みは背景をすっきり見せるように

つぼみの状態から実になるまでの変化は、植物によってその形も仕組みも様々で、それぞれにおもしろいシーンがあります。その様子をわかりやすく見せるために、背景はボカしてすっきりさせます。

庭に春の訪れを告げるこの植物は、冬のうちから芽を出し、つぼみになるとこのように雪や霜から守られるように薄い膜で覆われ、メルヘンチックな表情を見せます。

この植物は、春に花が咲いた後、このようなおもしろい形に変化して、中に黒い実を作ります。しばらくすると表面が破けて中から実がこぼれます。雨の日には雨粒をはじいて、中の実を守るようにきれいな水玉をつけます。

2. 終わりの美は背景の光や色で情感を

花が終わって枯れてゆくまでの間に、ハッとする美しさを見せてくれる植物もあります。繊細な草姿が引き立つように、やはり背景をすっきり見せることが大切ですが、朝夕の光や背後の色を効果的に利用すると、いっそう風情が出ます。

夏から秋にかけて咲く花が終わっても、そのままの草姿で残り、秋には写真のように、茎がまばゆい黄金色になります。この後、茶色く枯れていきますが、繊細な草姿はそのまま冬まで残り続けます。このように背の高い植物は、望遠レンズで引き寄せて背景をボカします。

同じく、冬まで草姿がそのまま残る植物です。撮影対象物自体は枯れていても、このように紅葉などをボカして背景にすると秋らしい絵画的な印象になります。

3. 冬の色を見つけよう

庭やベランダに花がなくなる冬でも、撮るものはたくさんあります。冬は雪や霜などの白いイメージですが、植物たちの中には、冬にこそ色鮮やかな表情を見せるものもあります。

真冬まで残った実はまるで古い漆器のような風合です。すぐ下には若緑の新芽が伸び始め、春に向けて再生のドラマは休むことなく展開していることがわかります。

芽出しして間もない赤い葉が雪と鮮やかなコントラストになっています。降り積もる雪にも耐える様子がそのままこの植物の名前になっています。

まとめ 対象がはっきりわかるように背景をボカす 背景の明るさや色を離ゆして情感を出す 冬枯れの中でも撮影対象を見つける

Answer

Q1.オキナグサ Q2.ブルーベリー(紅葉)とアスパラガス(黄葉) 
Q3.スイセン Q4.オダマキ Q5.オミナエシ Q6.ヤマアジサイ 
Q7.ヤエヤマノイバラ Q8.ユキノシタ

撮影協力:森ビル/アークガーデン

プロフィール 入江寿紀

写真家。自然の中の風景写真を様々な媒体に提供するほか、園芸雑誌でも撮影を担当している。

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