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準備と植え付け|たまねぎ【地植え】の育て方

監修:恵泉女学園大学教授 藤田智

たまねぎ【地植え】を育てるための準備と植えつけの方法をご紹介します。

たまねぎ【地植え】写真

 タマネギの栽培の歴史は古く、4000年を超えるとされています。特に北イランからマルタイ、エジプトでは、かなり古い時代から食用として珍重されていたという記録があります。  タマネギの原産地については諸説あり、アフガニスタン近辺の中央アジアを原産地とする説が有力です。日本へ本格的に導入されたのは、明治4年(1871年)、北海道開拓使によるものでした。当時はほとんど日本人の食生活になじまず、明治

準備

作型や品種の特徴

 タマネギも品種が増え、多彩なものがラインナップされています。

1. 極早生

 11月上~中旬に苗を植え、4月下旬~5月上旬に収穫できます。‘マッハ'はとう立ちも少なく、低温でも鱗茎が肥大しやすく、病気にも強い品種です。‘チャージII'は、1球が300~350gになる品種で、つくりやすく、食味もよく、家庭菜園向き品種です。

2. 早生

 11月中~下旬に苗を植え、5月中旬から収穫します。‘ソニック'は病気に強く、とう立ちも極めて少ない品種です。また、中早生種では‘オメガ'が病気に強く、揃いもよく、収穫後9月までのつり玉貯蔵に向きます。

3. 中生・中晩生

 11月下旬~12月上旬に苗を植え、6月上旬から順に収穫します。中生では、‘ターボ'、‘O・K黄'、‘O・L黄'、‘O・P黄'、‘アトン'がおすすめです。‘ターボ'は病気に強く、1球320gで収穫量も多い品種です。‘O・K黄'は1球290gほどで貯蔵力がよく、萌芽も少ないので12月まで貯蔵可能な品種です。‘O・L黄'は作りやすく食味よく1球300gになります。‘O・P黄'は分球の心配がなく、作りやすい定番の品種。1球320gになります。‘アトン'は1球600gにもなるので大玉栽培向きです。加工・業務用に最適ですが、大玉でも食味がよく家庭菜園で栽培してもおもしろいでしょう。中晩生では‘ネオアース'が貯蔵性に優れ、色つやがよく人気の品種。1球530gになります。‘アタック'は病気に強く貯蔵性にすぐれ、2月末までつり玉保存が可能です。1球320gになります。‘パワー'は1球290g、長期貯蔵に最適な品種です。

4. 生食用

 オニオンサラダに最適なのが、赤タマネギの‘猩々赤'です。外皮は美しい濃紫色で、サラダの彩りとしても鮮やかです。中晩生で、6月上旬から収穫します。

5. ミニタマネギ

 ペコロスと呼ばれている小タマネギ栽培には、‘貝塚早生黄'などを利用します。普通のタマネギですが、春まきして小玉に育てます。

6. オニオンセット

 子球を植えつけて育てる栽培方法を、オニオンセットといいます。8月下旬に植えつけると年内に収穫可能です。「ホームたまねぎ」という名前でも販売されています。

育て方のコツ

 タマネギは、冬越しさせて栽培する代表的な野菜です(ただし北海道は除く)。自然状態では、冬越しさせると5月に花(ネギ坊主)が咲き、6月にタネができます。しかし、ネギ坊主ができてしまっては、タマネギの栽培は失敗ですから、タマネギの花芽分化の条件を知っておきましょう。タマネギは、ある一定以上の大きさになると寒さに反応し、花芽分化する性質があります。これを緑植物春化型といいます。したがって、タマネギは、植えつける苗の大きさがポイントとなります。苗は必ず、鉛筆の太さぐらい(太さ7~8mm)のものを植えましょう。それより太い苗だと寒さにあってネギ坊主ができてしまい、細い苗だと寒さで傷みやすくなります。

 また、根(鱗茎)が肥大するためには、長日条件が必要です。春先から日が長くなってくると、タマネギが肥大するのはそのためです。

タネまき

 自分で苗をつくる場合は、タネを9月中旬~下旬にまきます。タネまきが早すぎるととう立ちの危険性が高い太すぎる苗に、遅すぎると寒さで枯死する危険性がある細い苗になってしまいます。早生品種は9/15~20ごろ、中生~中晩生は9/25を目安にタネまきするとよいでしょう。

 まず、苦土石灰を1m²当たり100g散布してよく耕します。次いで1m²当たり堆肥2kgと粒状肥料「マイガーデンベジフル」を1m²当たり120gを全面散布してよく耕し、幅1mの平畝をつくります。条間10~12cmのまき溝をつくり、1cm間隔にタネをまきます。発芽するまで、べたがけで覆いましょう。

植えつけ方

苗の植えつけ

 11月中旬~12月上旬は、タマネギの苗の植えつけ時です。苗は、園芸店などから購入しましょう。早生品種は11月中~下旬、中生~中晩生品種は11月下旬~12月上旬が植えつけ適期です。

マルチ栽培の場合

 幅135cmで、15×15cmに穴のあいた黒マルチを用意します。植えつけ2週間前に、苦土石灰を1m²当たり150g散布してよく耕します。植えつけ1週間前に、1m²当たり堆肥2kgと粒状肥料「マイガーデンベジフル」を1m²当たり120gを全面散布してよく耕し、幅120cmの平畝をつくって、マルチを敷きます。マルチの穴ごとに指を指して穴をあけ、深さ2cmほどに苗を植えます。

監修 恵泉女学園大学教授 藤田智

1959年、秋田県生まれ。岩手大学農学部、岩手大学大学院終了。恵泉女学園短期大学助教授を経て、現在、恵泉女学園大学人間社会学部人間環境学科教授(専門は、野菜園芸学、農業教育学)。
女子栄養大学、横浜国立大学非常勤講師。
NHK趣味の園芸・やさいの時間講師、NHKラジオ夏休み子供科学電話相談回答者(植物)、日本テレビ世界一受けたい授業講師(野菜)。
著書は、「野菜づくり大図鑑」(講談社)、「キュウリのとげはなぜ消えたのか」(学研新書)、「ベランダ畑」(家の光協会)  など多数あり。

たまねぎ【地植え】の育て方のページです。
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