【カルシウムは一方通行】
カルシウムなどの栄養分が一番必要な葉の先端部に届いたかどうかの診断のバロメーターの一つとして、葉の水孔から出る溢液(いつえき)現象が挙げられます。根から吸い上げられたカルシウムは、養分の通り道である導管を通じて植物全体に運ばれていきます。日中は蒸散活動がさかんに行われることによって蒸散流が生じ、養分はそれに乗って葉の先端まで運ばれていきますが、夜間は吸収された養分が根圧流により先端まで運ばれて、余分な水分が水孔から排出されて溢液という形で観察されます。根から吸収されたカルシウムは、養分や水分の通り道である導管で観察されますが、葉からの養分の通り道である師管には観察されません。
このことは、カルシウムが植物体の中で行ったり来たりしないことを示しています。他の三大栄養素は師管の中でも観察されるように、植物体の中をあちこちに移動していることがわかります。
チッ素などの肥料分は、不足すると下葉に使用されている養分を上手に再利用できますが、カルシウムは動きが一方通行であるため、足りないと下葉までしかいきわたらず、上の葉までは届かないような欠乏症となって現れます。つまり、常に一定量の供給が必要という訳です。
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